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アルバイトに適用される手当は?その種類や金額

アルバイトを雇い、企業や店舗の決まりを整備する際に悩みの種となるのが、さまざまな「手当」について。

とくに、割増賃金が発生する手当は状況に応じて計算が必要になることもあり、なんとなく難しく感じている管理者の方も多いことでしょう。

時間外手当や深夜・休日手当、通勤手当など、手当にも多くの種類がありますが、それぞれの違いや割増率などを把握しておけば、意外と難しくありません。

そこで今回は、アルバイトに適用される手当について、その種類や金額についてご紹介します。

※2022年2月16日更新


目次[非表示]

  1. アルバイトの時間外手当について
  2. アルバイトの深夜手当(早朝手当)について
  3. アルバイトの休日出勤手当について
  4. アルバイトの有給手当について
  5. アルバイトの「交通費」と「通勤手当」について
  6. まとめ


アルバイトの時間外手当について

時間外手当は労働基準法で定められた法定労働時間(休憩時間を除く1日8時間以上あるいは1週間40時間以上)を超える労働に対して払う手当を指します。現行制度では、基本的に8時間を超える法定時間外労働に対して通常賃金の1.25倍以上の割増賃金を支払わなければなりません。

たとえアルバイト契約の際に「割増賃金を支払わない」と伝えたとしても、労働基準法では支払いが義務付けられているため、このような条件は無効になります。

出典:厚生労働省『労働時間・休日』/e-Gov法令検索『労働基準法』『労働契約法


法定時間外労働が1ヶ月60時間を超える場合

1ヶ月の法定時間外労働が60時間を超えた場合は通常賃金の1.5倍以上の割増賃金を支払わなければなりません。

これまで中小企業の場合は適用外でしたが、働き方改革関連法の成立により2023年4月から適用されます。

1ヶ月の法定時間外労働が60時間を超える場合の割増賃金の算出方法は以下のとおりです。


▼条件

  • 時給:1,000円
  • 勤務日数:23日
  • 毎日3時間の法定時間外労働を行った

算出方法


23日×3時間=69時間

1,000円×1.25×60時間=75,000円

1,000円×1.5×9時間=13,500円

計88,500円


アルバイトが掛け持ちをしている場合

アルバイトが掛け持ちで勤務している場合は、掛け持ち先の労働時間と合算して割増賃金を算出します。

この場合の割増賃金の支払い義務を負うのは、法定時間外労働を発生させた使用者です。


▼A社で働いていて、後からB社でも働き始めた場合

前提条件①

A社:所定労働時間 8時間

B社:所定労働時間 4時間


                  
状況

法定時間外労働


支払い義務

A・B社が所定労働時間のとおりに勤務させた
4時間
B社(4時間)
A社が2時間残業させた
6時間

A社(2時間)

B社(4時間)

B社が2時間残業させた
6時間

B社(6時間)


前提条件②

A社:所定労働時間 4時間

B社:所定労働時間 4時間

                  
状況

法定時間外労働


支払い義務

A・B社が所定労働時間のとおりに勤務させた
なし
なし
A社が2時間残業させた
2時間
A社
B社が2時間残業させた
2時間
B社


一般的には、通算して法定労働時間が超える所定労働時間契約を後から契約した使用者が割増賃金の支払い義務を負うことになります。

ただし、通算した所定労働時間が8時間に達していることを知りながら残業させた場合は、契約の前後に関係なく、残業をさせた使用者に支払い義務が発生します。

出典:厚生労働省『法定労働時間と割増賃金について教えてください。』『「副業・兼業の促進に関するガイドライン」Q&A



アルバイトの深夜手当(早朝手当)について

22時から早朝の5時までの時間帯に勤務させた場合は、時間外手当と同様に通常賃金の1.25倍以上の割増賃金を支払わなければなりません。

時間外労働が22:00以降にまでおよんだ場合は、深夜手当手当に加えて時間外手当を支払う必要があります。

深夜・早朝勤務の割増賃金の算出方法は以下のとおりです。


▼条件①

  • 時給:1,000円
  • 所定労働時間:5時間(19:00~0:00)

算出方法


1,000円×1.25×2時間=2,500円(22:00~0:00)

計2,500円


▼条件②

  • 時給:1,000円
  • 所定労働時間:8時間(9:00~18:00 休憩1時間)
  • 18:00~23:00まで残業させた

算出方法


1,000円×1.25×4時間=5,000円(18:00~22:00)

1,000円×1.5(1+0.25+0.25※1)×1時間=1,500円(22:00~23:00)

計6,500円

※1・・・時間外手当+深夜手当

基本賃金(1)に対して、割増率を加算する。この場合は、時間外手当と深夜手当を加算するため(1+0.25+0.25)となる。


深夜に勤務させた場合は、法定時間内・法定時間外・法定休日のいずれの場合も手当を支払う必要があります。

出典:厚生労働省『しっかりマスター 割増賃金編


​​​​​​​

アルバイトの休日出勤手当について

法定休日に出勤させた場合は、通常賃金の1.35倍以上の割増賃金を支払わなければなりません。法定休日とは、土日、祝日のことではなく労働基準法で定められた法定休日(4週間に最低4日)のことを指します。

休日出勤における割増賃金の算出方法は以下のとおりです。


▼条件

  • 時給:1,000円
  • 所定労働時間:7時間(9:00~17:00 休憩1時間)
  • 法定休日に9:00~23:00まで勤務させた

算出方法


1,000円×1.35×12時間=16,200円(9:00~22:00)

1,000円×1.6(1+0.35+0.25※2)×1時間=1,600円(22:00~23:00)

計17,800円

※2・・・休日手当+深夜手当

基本賃金(1)に対して、割増率を加算する。この場合は、時間外手当と深夜手当を加算するため(1+0.35+0.25)となる。


法定休日に時間外労働をさせても、別途時間外手当は発生しません。

出典:厚生労働省『しっかりマスター 割増賃金編


時間外手当が適用されないことも

「ある月のある週に50時間働いた」場合、通常、法定労働時間を超えた10時間分に残業手当が付きます。

しかし契約の際に“1ヶ月単位の変形労働時間制”を採用している場合は、特定の日や週が法定労働時間を超えて働かせることが可能になります。今回は変形労働時間制についての一部だけを紹介していますが、変形労働時間制にはさまざまな条件があります。


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アルバイトの有給手当について

有給手当は正社員と同じようにアルバイト従業員も対象です。

有給休暇は原則として、以下の条件を満たしている場合付与するよう義務付けられています。

  • 全労働日の80%以上出勤している
  • 6ヶ月以上継続して雇われている

通常の労働者の場合で10日間、週の所定労働日数が4日以下かつ、週所定労働時間が30時間未満の場合でも、1~4日間以上付与しなければなりません。

また、有給休暇は労働基準法の改正により、法定年次有給休暇が10日間以上付与されるすべての労働者に対して、毎年5日間は確実に有給休暇を取得させることが必要となりました。

出典:厚生労働省『年次有給休暇とは


有給手当の算出方法は以下のとおりです。


▼平均賃金で支払う場合


過去3ヶ月の賃金の合計額÷その期間の全勤務日数=1日あたりの賃金


▼通常どおりの賃金を支払う場合


時給制:時給×所定労働時間

日給制:全額

週給制:週給÷その週の所定労働日数

月給制:月給÷その月の所定労働日数


▼標準報酬日額で支払う場合


標準報酬月額÷30=1日あたりの賃金

※アルバイト従業員が健康保険に入っている場合に限る

出典:厚生労働省『年次有給休暇のポイント



アルバイトの「交通費」と「通勤手当」について

アルバイトに支払う手当には、労働時間に関する手当のほか、自宅から勤務先までの“通勤手当”もあります。

通勤手当は“交通費”と混同されがちですが、実際には大きく異なります。


交通費

交通費とは「仕事や業務を遂行するうえで発生する交通に関する費用」のことを指します。

たとえば、出張で大阪に訪問することになった場合の移動に使用したバス・電車代や新幹線代などが交通費となります。

交通費は旅費交通費・出張旅費で計算されるので給与に換算されません。


通勤手当

通勤手当はその名前のままの意味で、自宅から会社へ通勤する際にかかる電車代やガソリン代などに関する手当のことです。

交通費との大きな違いは、通勤手当には支払い義務がなく給与に換算される点です。基本的には通勤手当は非課税対象ですが、交通機関を使用する場合月額15万円を超えると課税対象となります。

また「月額2万円まで支給」「出勤の都度一律800円支給」など、企業によって支給する方法や金額も異なります。

多くの企業が支給していますが、支払い義務はない手当です。

ただし、通勤手当を負担する旨を就業規則や労働契約書に記載していた場合は通勤手当を支給しなければなりません。

就業規則で「通勤手当を支払う」と規定しつつ労働契約では「通勤手当を支払わない」とした場合、この取り決めは無効になり通勤手当を支払う義務が発生します。

しかし、働くモチベーションに影響する項目であることも事実です。トラブルを避けるためにも、支給しない場合は就業規則・雇用契約で明示しましょう。

出典:国税庁『通勤手当の非課税限度額の引上げについて』/e-Gov法令検索『労働契約法



まとめ

時間外手当・深夜手当・休日手当・有給手当など、正社員やアルバイトを問わずに付与する必要がある手当はさまざまな種類があります。

それぞれの手当は働いた分への正当な報酬です。健全な経営を行うためにもしっかりと理解しておきましょう。

また、アルバイトの労働時間の把握にお悩みなら、シフト管理システムを活用するのも一つの手です。

詳しくはお気軽にお問い合わせください。


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