
シフト管理の完全マニュアル - シフトの作り方や管理のコツ、効率的な管理方法
経営者や人事・労務管理者、現場のリーダーなど、従業員を管理する立場の方は、従業員のシフト管理に負担を感じたことがあるのではないでしょうか。あるいは、初めてシフト管理業務の担当に就任したけれど、何をしたらよいのかわからないという方もいらっしゃるでしょう。
シフト制は、長時間営業や人件費のコストダウンを可能にする勤務体制ですが、業種・業界を問わず「シフト管理業務は難しい」「面倒くさい、時間と労力がかかる……」といった声も多く聞かれます。
今回はシフト制の導入を検討している方はもちろん、すでにシフト管理業務をこなしている方にも役立つシフト作成や管理のポイント、問題解決のヒントなど役に立つ情報をまとめて解説します。
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そもそもシフトとは? 多くの企業で採用されているシフトの定義について
“シフト”は和製英語で、切り替える、移行する、移動するという意味があります。“シフト制勤務”は、働く曜日や時間を固定せず、一定の期間ごとにスケジュールを立てて働く勤務形態のことで、正社員、アルバイトとなどを問わずに採用されています。このシフト制勤務で定められている時間帯のパターンが“シフト”といわれています。
シフト制を採用している業種とは?
シフト制はとくにスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売業や、長時間操業の工場といった製造業、荷物の配送を行う運輸業のほか、医療や介護福祉の現場、ホテルや旅館などの宿泊・サービス業に多く見られます。
これらに共通することは、営業時間が長く、土日祝日も稼働していること。なぜこれらの業種ではシフト制が採用されているのでしょうか。以下では、シフト制を採用することのメリットを解説します。
シフト制のメリット
長時間営業が可能
シフト制の最大のメリットは、やはり長時間営業を可能にできる点です。従業員を一定時間ごとに交代させながら業務を行うため、時間外労働を行わせなくても長時間営業を可能にします。
顧客対応の充実
最近はコンビニエンスストアをはじめ、24時間営業の店舗が増加しています。また、インターネットやスマートフォンが普及していることもあり、企業には夜間や休日を問わないスピーディーな対応が求められている風潮です。長時間営業を実現し、いつでも顧客と接点を持てるようにすることで、顧客満足度を高め、機会ロスを防ぎます。
割増賃金のコストダウン
労働時間は原則として1日8時間、1週間に40時間までと定められており、超える場合は法定時間外労働として割増賃金が発生します。また、22時以降の深夜勤務も同様、深夜割増が必要です。しかし、シフト制の場合は交代で勤務するため基本的に時間外労働が発生しません。
法定の労働時間、休憩、休日
- 使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。
- 使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。
- 使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。
出典:厚生労働省「労働時間・休日」
出典:東京労働局「しっかりマスター 割増賃金編」
たとえば、10時から20時まで365日営業しているスーパーマーケットで、すべての従業員が開店から閉店まで同じ時間帯で勤務する固定時間制※1を採用したらどうなるでしょうか。
店舗の営業時間10時間にくわえ、開店準備や閉店後の片付け、次営業日の準備に必要な時間を考慮すると、必ず毎日8時間以上勤務させることとなり、法定労働時間を超えてしまうのは明らかです。従業員は出勤するたびに法定時間外労働が生まれます。このような体制では、人件費の負担が大きいことはもちろん、労働時間の上限を超えるため労働基準法に抵触するおそれもあります。
また、過度な長時間労働は従業員の健康を損なうリスクもあります。営業時間の長い企業や店舗では、勤務形態に2交代制あるいは3交代制などのシフト制を採用して従業員一人当たりの勤務時間を減少させることで、コンプライアンスや人件費の課題をクリアにしています。
※1・・・固定時間制とは、決まった曜日の決まった時間に固定して勤務させる形態のこと
シフト制を採用することでリソースを有効活用
シフト制は、基本的に同じ業務を交代で行うため、人材だけでなく業務で使用する機器や備品なども効率よく活用できます。また、シフト制は業務の属人化の防止にも効果的。だれでも同じ業務を行えれば、いつでも同じ品質の商品やサービスを提供できます。常に業務品質を保てれば、従業員の休日や勤務時間などにも融通が利きやすくなります。
社会保険料の抑制
社会保険料は、賃金の金額に比例します。時間外労働が減少すれば、社会保険料も減少します。たとえば、東京都で事務のアルバイトを行っている25歳、月の給与が20万円の場合、社会保険料は以下のとおりです。
- 健康保険料 19,740円(企業の負担額9,870円)
- 介護保険料 40歳未満のため負担なし
- 厚生年金保険料 36,600円(企業の負担額18,300円)
- 雇用保険料 1,800円(企業の負担額1,200円)
- 企業負担総額 29,370円
時間外労働を行い、月額の給与が26万円であった場合は以下の金額になります。
- 健康保険料 25,662円(企業の負担額12,831円)
- 介護保険料 40歳未満のため負担なし
- 厚生年金保険料 47,580円(企業の負担額23,790円)
- 雇用保険料 2,340円(企業の負担額1,560円)
- 企業負担総額 38,091円
1か月の時間外労働が、6万円違うだけで社会保険料の負担額は1万円近く変わります。従業員が多い場合はどうでしょう。シフト制勤務で時間外労働を抑制すれば、人件費の削減につながります。
出典:全国健康保険協会「平成31年度保険料額表」、厚生労働省「平成31年度の雇用保険料率について」
シフト制のデメリット
固定時間制勤務と比べ、シフト制は管理が煩雑になりがちです。また、組織の規模が大きくなるほどシフト管理の負担は増大します。以下ではシフト制のデメリットについて解説します。
情報共有が難しくなる
交代制の職場では、時間帯によって従業員と会えないことも少なくありません。そのため、情報伝達や意思疎通が難しくなります。マネジャーやリーダーはすべてのシフト間で必要な情報が共有できるよう、業務連絡と確認に工夫が必要です。
従業員の働き方にも配慮が必要
24時間営業などで深夜勤務が継続する場合、従業員が体調を崩してしまう可能性も高まります。特定の従業員に負担のかかるシフト編成が続かないよう配慮が必要です。また、常時使用する従業員が深夜帯のシフトに週1回以上または1か月に4 回以上入っている場合には、健康診断を受けさせなくてはなりません。
シフト管理とは?
シフト管理とは従業員の出勤日と公休日を、売上予算や人件費予算に応じて配置することです。現場の仕事を把握しているマネジャーや店長など管理職が行うことが多く、遅刻・欠勤の処理なども含まれます。
上述した業種の多くは、一人ひとりの能力と勤務状況が売上や作業効率に大きく影響する労働集約型産業のため、適切なシフト管理は必要不可欠。優れたシフト管理は、業務効率化を推進し、利益を確保しやすい体制を構築するほか、従業員の満足度にも影響します。そのため、経営においても重要な業務のひとつといえます。
ダメなシフト管理で発生する問題
シフト管理が適切でない場合、以下のような問題が発生します。
- 一人当たりの業務量が多く業務の遂行に時間がかかる
- 作業が間に合わず、商品やサービスを提供する機会を失う
- 売上に対して人件費コストが多い
- 従業員の心身に負担が大きい
- 従業員の人間関係が悪い
また、企業や店舗が成長し人員が増えるほど、シフト編成や管理には労力がかかります。
企業の発展には従業員数の増加がともないます。合併や買収、新規開店などで急に従業員が増えることもあります。スムーズに対応するためには合理的で適切なシフト管理が欠かせません。
まずは現状のシフト管理を見直し、必要な改善を行うことが重要です。
適切なシフト管理こそ企業を成長させる
適切なシフト管理は、単純に人員数をそろえれば良いという話ではありません。
従業員のスキルや適性、人間関係まで細かく配慮し、コミュニケーションを取りながら円滑に業務を進められる最適解を見つけることが必要です。
従業員が無理なく働くことができるシフトは、従業員の離職率を低下させる効果が期待できるとともに、長期就労によるスキルアップも可能にします。さらなる業務効率化が進められ好循環が始まるでしょう。労働集約性が高い業種こそ、シフト管理が企業の成長を左右するといっても過言ではありません。
シフト管理の方法と押さえておきたいポイント
シフト制やシフト管理のメリットやデメリットについて紹介してきました。以下では適切なシフト管理の方法と押さえておきたいポイントについて解説します。
①希望シフトを収集
はじめに、シフト制の対象となるすべての従業員から希望するシフトを収集します。このとき、必ず出勤できる時間帯だけでなく、出勤可能な時間帯も提出してもらいましょう。
従業員が出勤可能な時間帯をできるだけ多く収集しておくことで、シフト編成時や急な欠勤への備えになります。
②シフト表の作成
従業員から集めたシフト希望をもとに時間帯ごとの人員を配置します。人手が足りない部分には、出勤が可能な従業員を配置。その際、人件費が予算内におさまっているか、従業員の労働時間や休日が適切かをチェックしましょう。
また、シフト編成が終わったあとも従業員が提出したシフト申請の記録は保管しておくことも必要です。急な欠勤といった想定外の事態に対応するためにも必要な情報になります。
③シフトを共有する
シフトが完成したら従業員に共有します。シフトの共有が不完全では、従業員がシフトを知らずに欠勤したり、勘違いで出勤する可能性もあります。業務に影響が出ないよう従業員がシフトを確認したかを確認することも必要です。
シフト作成がうまくいかない場合
従業員数に関わらず、時間帯によっては思うようにシフトが作成できない場合があります。シフト作成がうまくいかないときはどのように対応すればよいのでしょうか。
ここでは、シフト作成がうまくいかないケースと対応策をみてみましょう。
①シフトがどうしても埋まらない時間帯がある
根本的に従業員が足りていない可能性があります。いつも人が足りない時間帯を固定シフトとして、その時間帯に働ける従業員の新規採用を検討しましょう。
②計画通りにシフトを組んでも、人手が足りない
季節要因・イベント要因などを反映した売上や作業量などの過去から直近までのデータを分析し、必要なリソースを再検討します。急に人員の増加が必要になった場合は、インセンティブ付与を条件に従業員に応援を求められるような体制づくりも必要です。
③急な欠勤、遅刻や早退が多い
従業員の家庭の状況や生活パターンを把握できていない可能性があります。学生なら休暇時期と試験シーズンでは出勤可能な日や時間帯が大きく変化することもあるほか、子育て中の従業員であれば子どもの急病で休みを取ることも想定できます。
また、欠勤や遅刻の原因が人間関係や業務負担の重さにある場合もあります。いじめやハラスメントの有無、顧客との関係、業務量の負担などにもできる限り配慮し、問題の所在を確認・解決を図りましょう。
④同じ時間帯に、シフト希望が集まりすぎる
たとえば、店の特性から「若い従業員がたくさんほしい」と考えて学生ばかりを採用すると、試験シーズンには多くの学生アルバイトが休みを申請することが想定できます。
また、子どもがいる主婦・主夫の場合、同じ学校に通う子どもがいる人を複数採用してしまうと、学校行事で休みの希望が重なることも想定できるでしょう。学生や主婦だけでなく、シニアやフリーアルバイターなど、あらゆる属性の従業員を幅広く採用し、多様性を高めることで、シフト希望や休日希望の偏りを回避できます。
シフト管理の効率アップはデジタル化が必須
従業員の希望やスキルを把握して、時間帯ごとに適切な人員配置を行うのは時間や労力がかかります。シフト表の作成を手作業で行う場合は、さらに業務量は増加するでしょう。また、ミスも起こりやすくなります。
パソコンでシフト表を作る場合、従業員の希望シフトを元となるシフト表に転記する必要があるため、従業員が多くなるほど時間が取られてしまいます。シフト管理にかかる作業時間を大幅に減らし、現場作業や実務の時間を確保するためにはシフト作成・管理のデジタル化は必須です。
正しいシフト管理システムの選び方
シフト管理のデジタル化を進めるなら業務に合った適切な管理ツール選びが重要です。多くのシフト管理システムが備えている基本的な機能には次のようなものがあります。
- 従業員がスマートフォンやパソコン、タブレットなどからシフトを申請できる
- 自動的に仮のシフトが作成される
- シフトの共有をWebで行える
各種管理を併用できる
シフト管理ツールには、シフトごとの人件費や売上データなどを参照させて人件費率の算出ができる機能を備えたものがあります。
また、勤怠システムと連動させられるツールもあり、人件費計画から給与計算に至るまで業務の効率化を図れます。
Web上で閲覧できる
完成したシフト表をWeb上で閲覧できるツールもあります。従業員はシフト確認のためにわざわざ勤務先に出向く必要がなくなるため、確認不足による欠勤や遅刻などを防止できます。
複数店舗で利用できる
1つのシフト管理システムを多店舗で利用できるツールもあります。ファミリーレストランやコンビニエンスストアなど、同じマニュアルで同じ仕事を複数店舗で展開している企業では社内でリソースを確保できるため人手不足解消に効果が期待できます。
また、シフト管理システムを本社と現場責任者で共有し、従業員の勤務評価や労務管理に生かすことも可能です。
機能充実のシフト管理ツール“シフオプ”の使い方
経営の合理化と業務の効率化を目指すなら、シフト管理に特化したクラウドサービス“シフオプ”がおすすめです。シフオプは操作性と機能性のバランスがよく、シンプルでありながら便利な機能が充実しているシフト管理ツール。かゆいところに手が届く設計で、さらに細かい部分までフォローしています。ここでは、シフオプの使い方を紹介します。
①従業員を登録
採用が決まったら従業員を登録します。t登録は、管理者がCSVで一括登録する方法と、従業員がQRコードを読み取り、必要な情報を入力する方法の2種類があります。
②シフト申請
従業員は手持ちのデバイスから希望シフトを提出します。クラウドサービスのため、インターネット環境があればどこからでもシフオプにログインできます。
③シフトを締切る
シフト管理者は、締切日になったらクリックひとつでシフト申請を締め切り“仮確定”にすることができます。シフオプは従業員から集まったシフト希望をもとに仮のシフトを作成するため、ゼロからシフトを作成する必要がありません。
④シフト調整
仮確定にしたシフトをもとに、シフトを調整します。日時や仕事場ごとに、従業員が表示されるため、調整が必要な部分を変更します。また、ほかの店舗にヘルプを募集することも可能です。
⑤シフトの確定・共有
シフトを確定すると、自動的に従業員へメールが送信されます。
シフオプの便利な機能
シフオプは、シフト作成を容易にするだけでなく、人手不足の改善や採用・人件費の最適化にくわえ、コンプライアンスの徹底にも効果が期待できる機能が搭載されています。
リマインド機能
シフオプなら好きなタイミングでリマインドメールを送信できます。シフト申請の締切や、出勤日の前に設定しておくことで、スムーズなシフト作成に役立ち、従業員の勘違いなどによる欠勤なども防止します。
人件費も自動計算
シフオプはあらかじめ人件費や売上などの予算を設定出るため、シフトに対する従業員の過不足や、予算に対する人件費、人件費率などを表示可能です。数値を可視化することで全体像を把握しやすくなり、人件費をはじめとしたコストの最適化につながります。
CSVに対応
シフオプのデータはCSVで出力できるため、ほかのツールにシフオプのデータを取り込むことが可能です。勤怠管理システムにシフオプのデータを取り込めば、より正確な勤怠管理も実現できます。
ヘルプスタッフ募集機能
シフトに対して従業員の出勤希望が少ないときや、急な欠勤にもシフオプなら即時対応できます。シフオプは登録されている従業員全員にメールで一斉送信できるため、個別に連絡を取る必要はありません。また、従業員はその場で返答ができるため、リアルタイムのシフト調整が可能です。
シフト&スタッフを多店舗共有
複数の店舗と管理者でシフトを共有できるのもシフオプのメリットです。店舗間でシフトを共有して、必要な労働力を店舗間で確保することが可能。組織全体で従業員の稼働率を上げられ、人手不足の解消に効果が期待できます。
自分のデバイスでシフトを共有
確定したシフトはシフオプのツール上で共有されるため、従業員もシフト管理者も自分の手持ちのデバイスから確認できます。
完成したシフトは、プリントアウトすることもできるため、掲示や配布も可能。紙面でのシフト管理と違い、わざわざ出勤させたり連絡したりといった必要もありません。従業員ごとのシフトを印刷することもできるため、勤務評定や労務管理に役立てられます。
コンプライアンスを徹底
長時間労働や連続勤務といったコンプライアンスリスクの高いシフトには、自動的にアラートを表示。労働時間に制限がある未成年者や留学生などの労働時間管理も容易になり、未然にコンプライアンス違反を防止します。また、企業独自の設定ができるため、扶養の範囲内での勤務を希望する従業員の対応なども可能です。
気になる料金プランは?
シフオプは初期費用0円。クラウドサービスのため、インターネット環境さえあれば導入時のコストを抑えられます。また、従業員1名からでも利用でき、月額300円(税抜)で、店舗数に関係なく利用が可能です。従業員が1,000人以上の場合は割安なIDパックプランも用意されています。1,000パックの場合、従業員一人当たり270円になるためお得に利用できます。
シフオプ導入の流れ
シフオプは、導入もスムーズです。シフオプ専用ホームページまたはサポートセンターに連絡後、現在のシフト管理の状況やシフオプの利用方法についてヒアリングを行います。訪問はもちろんテレビ会議にも対応しているため、遠隔地の企業でもすき間時間に打合せが可能。申し込み後は1~2週間で環境設定をセットアップ。アカウントが発行されれば、すぐに使えます。
まとめ
今回はシフト作成や管理のコツ、問題解決のヒントなどを詳しく解説しました。
企業経営のなかでも大きなウエイトを占める人件費をわかりやすく可視化し、シフト管理業務を効率化するシフオプは、コンプライアンス遵守が求められる今の時代にあった労務管理を実現します。
充実した機能を直感的に操作できる設計のため、パソコンが苦手な方やはじめてシフト管理を担当する方も理想的なシフト作成が可能。まずは、シフオプの無料体験イベントから始めてみてはいかがでしょうか。
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