パートタイム労働法とは?知っておきたい改正後の内容や問題点について

パートタイム労働法の改正が2020年4月にいよいよ施行されます。

従業員を雇用する経営者、管理者の方にとって、改正内容や問題点について把握しておくことはとても大切です。

ただ、その内容は、賃金制度、教育訓練、正社員への転換に関してなど多岐に渡ります。どのようなところから理解していけばよいのかわからない方も多いでしょう。

そこで今回は、パートタイム労働者を雇用する際におさえておきたい内容をまとめていきます。


目次[非表示]

  1. パートタイム労働法とは?
  2. 過去のパートタイム労働法の問題点
  3. 改正パートタイム労働法の特徴
  4. まとめ


パートタイム労働法とは?

パートタイム労働法は、パートタイムの労働者ができるだけ正社員と均等な扱いを受け、能力を発揮できるように作られた制度をまとめたものです。


パートタイム労働者は、平成28年には雇用者全体の約3割を占めていて、国の経済活動の重要な役割を担っています。

大きな割合を占めるパートタイム労働者がその能力を最大限に発揮し、社会や国の経済活動のために活動できるように作られたのがパートタイム労働法なのです。


その条件に当てはまる対象者は、「1週間の所定労働時間が、正社員の所定労働時間に比べて短い労働者」とされていて、

  • パートタイマー
  • アルバイト
  • 嘱託社員
  • 契約社員
  • 臨時社員
  • 準社員

などが該当します。

パートタイム労働法で定められた具体的な内容は、どのようなものなのでしょうか?


雇入れの際や労働契約の更新

パートタイム雇入れの際に後々のトラブルを防ぐため、昇給、退職手当、賞与の有無、相談窓口について労働条件を文書にすることが定められています。違反による行政指導でも改善が見られない場合には、パートタイム労働者一人につき、契約ごとに10万円以下の過料となります。

また、就業規則の作成や変更の際はパートタイム労働者の過半数を代表した人の意見を、聞くように努める必要があります。


パートタイム労働者の待遇

正社員との働き方の違いに応じ、均等・均衡待遇になるようにしなければいけません。業務の内容と責任の程度、人事異動の有無など、人材活用の「仕組み」や「運用」について考慮する必要があります。賃金、教育訓練、福利厚生などさまざまな面で「パートタイム労働者だから」と不利にならないようすることが大切です。


正社員へ転換するチャンスを与える

雇用主はパートタイム労働者に対して、正社員への登用制度を整えなければなりません。

改正後の法律では

  • 社内公募や求人で正社員を募集する場合にその旨を伝える
  • 試験制度を設ける

など、正社員登用へのいくつかの内容が義務付けられています。

パートタイム労働者のモチベーションを高め、その能力を有効に発揮できるようにすることが目的になっています。


短時間雇用管理者を選任する

常時10人以上のパートタイム労働者を雇用する事業所は、「短時間雇用管理者」と呼ばれる人員を置かなければいけません。

その役割は、パートタイム労働者からの相談を受けたり、それに対する措置を雇用主と検討したりすることが挙げられます。


パート労働者の相談窓口を設ける

パートタイム労働者からの相談に対して相談担当者を決めて対応させ、雇用主主自身は相談担当者が適切に対応するために、相談窓口を設置することも必要となります。厚生労働大臣が是正の勧告をしても、規定に従わずに違反している雇用主に対しては、それを公表することができます。

(参照:厚生労働省│パートタイム労働者とは
(参照:厚生労働省│パートタイム労働者の雇用管理の改善のために

過去のパートタイム労働法の問題点

パートタイム労働法は平成5年6月に制定され、同年12月に施行されたもので、制定後も随時改正が行われています。

パートタイム労働法が制定された以降も、パートタイム労働者は年々増加し、企業にとってもなくてはならない存在ですが、正社員との待遇の格差はなかなか縮まっていないのも現状です。

これを受け平成26年にはパートタイム労働法が改正され、27年4月から施行されています。

その際には、

  • 職務内容が正社員と同じ
  • 人事異動の有無や範囲が正社員と同じ

上記の条件に該当すれば、正社員との差別的取り扱いは禁止となりました。


また、以前のパートタイム労働法では下記のような課題が残されていました。

  • 雇用や契約更新の際には、その後のトラブルになるのを防ぐため、労働条件を文書にするように定められているが、不明確でわかりにくい。
  • 正社員と同様の仕事をしている場合でも、賃金や福利厚生などの待遇面が異なる場合がある。
  • 正社員募集や試験制度を設けることが定められているが、実際には正社員になる機会は少なく、キャリアアップも図れない。

このような問題点を改善するため、2018年には、働き方改革の一環としてパートタイム労働法の改正が行われることになりました。

(参照:厚生労働省│短時間労働者対策基本方針概要


改正パートタイム労働法の特徴

今回の改正では、今までのパートタイム労働者だけではなく、有期雇用労働者、派遣労働者も対象に含まれ、これにより正社員と非正規社員の間の不合理な待遇は禁止されます。

改正されるポイントとしては以下のようになります。


正社員と非正規社員の不合理な待遇差が見直された

正社員と非正規社員の間で、基本給や賞与などの待遇における筋の通らない待遇差がなくなります。ガイドラインや均衡待遇規定や均等待遇規定も明確され、どのような待遇差が不合理になるかがわかりやすくなるでしょう。


労働者への待遇に関しての説明義務

今まで有期雇用労働者は、賃金、教育訓練、福利厚生などの待遇内容や、待遇決定に関しての判断内容について、説明義務としては規定がありませんでした。

しかし現在、非正規社員は「正社員との待遇差の内容や理由について」雇用主に説明を求めることができます。たとえば「待遇差の内容や理由について」は、今まで雇用主に説明義務の規定はされていませんでしたが、その説明を求めることができるようになります。この点が改正されると変わり、労働者に対して待遇面での説明が雇用主に義務付けられることになります。


行政ADR

行政ADRとは、行政による雇用主への助言や指導を行い、裁判外紛争解決手続きの規定を整備する裁判外紛争解決手続きのことです。

これは雇用主と労働者の間のもめ事を、裁判をすることなく解決をするための手続きになり都道府県労働局において非公開で行われます。今まで行政ADRは、パートタイム労働者でも均衡待遇は除外にされ、部分的なものに限られていました。

そこで今回の改正では、初めて非正規労働者全体に、内容が盛り込まれることになったのです。行政による助言や指導も、有期雇用労働者にも対応されることになります。


まとめ

過去、パートタイム労働法が改正によって、労働者の働く環境がより良い方向に改善されてきました。法に基づいてパートタイム労働者の待遇を整備していくことは、モチベーションの向上にもつながり、企業や店舗全体のメリットにもなります。

しっかりと知識を身につけておき、労働者も満足できるような環境を整えていきましょう。


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