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今後はどうなる?今もっとも人手不足の業界やその現状

現在、さまざまな業界で従業員の人手不足が問題視されています。

その中でも特に、「医療業界」「介護・福祉業界」「運送業界」の人手不足は今後さらに深刻化していくと言われています。これらの業界の経営者や管理職の方は、人手不足解消のためにいろいろな対策を試みているものの、なかなか改善できなくて悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は人手不足の現状と、今後人手不足が問題視されている「医療業界」「介護・福祉業界」「運輸業界」の現状・原因・今後の見通しについて解説していきます。

目次[非表示]

  1. 問題視されている「人手不足」の現状
  2. 今後の人手不足が予想される業界
  3. 今後予想される人手不足を緩和するためには
  4. まとめ

問題視されている「人手不足」の現状

実際のところ、人手不足はどのような状況なのでしょうか?

ここでは、

  • 完全失業率から見る人手不足
  • 有効求人倍率から見る人手不足

について解説していきます。


完全失業率から見る人手不足

完全失業率は、完全失業者を労働者人口で割ったもので、雇用情勢を示す指標の一つになります。この指標は総務省が「労働力調査」で毎月発表しています。

労働力調査

(参照:総務省統計局│労働力調査


2018年に発表された調査によると、完全失業率は3%を下回っていることがわかります。

労働市場の指標

(参照:内閣府│労働市場の各種指標


完全失業率が3%を下回ったのはバブル期以来で、失業率だけを見るとバブル期同様の人手不足が起きていると言えるでしょう。


有効求人倍率から見る人手不足

有効求人倍率とは、求職者に対する求人数の割合です。この数値も雇用情勢を示す指標の一つで景気とほぼ一致して変動するため、景気動向指数の一致指数となっています。

有効求人倍率が高いときは、どの業界も人手不足の状態になっていて就職しやすいと思う人も多いでしょう。確かに求人倍率が高いと、さまざま業界で人手が足りない状況なので仕事を探すのは難しくないと言えます。

求人倍率が高いのはそれだけ景気が良いことを意味しているので、求人需要が高い業界に労働者が募ることになります。一方、求人需要が低い業界ほど人手が足りないということが起きやすくなります。


今後の人手不足が予想される業界

厚生労働省の資料では、さまざまな業界の入職率と退職率が発表されています。

入職離職率

(参照:厚生労働省│産業別入職率・離職率

この中でも、今後人手不足が懸念されている業界は「医療業界」「介護・福祉業界」「運輸業界」の3つが挙げられます。


医療業界の現状と見通し

今後、人手不足の深刻化が予想されている一つの医療業界。

現在、日本の医師や看護師などの人手は、世界的に見ても少ない傾向にあります。

医師の需給

(参照:厚生労働省│医師の需給に関する基礎資料


医師数推移

(参照:厚生労働省│医師の需給に関する背景

一方で、厚生労働省の資料によると医師は年々増加していることがわかります。

それでも医療業界が人手不足になるのが懸念されているのは、高齢化にともない更なる利用者数の増加が予想されるからです。

一人あたりの対応患者数の負担増え、今よりももっと深刻な状況になり人手不足が加速していくでしょう。人手不足を解消する対策として、現在さまざまな病院やクリニックでは、結婚や出産で退職した医師や看護師の復職を受け入れる傾向にあります。現在人手不足で悩んでいる病院やクリニックは、復職を望む医師や看護師の働きやすい環境を整え、人手不足解消に努めることが大切です。


介護・福祉業界の現状と見通し

今後、ますます人手不足が予想されている介護・福祉業界。現在でも、すでに人手不足に悩んでいる方が多くいます。

介護安定

(参照:公益財団法人 介護労働安定センター│平成28年度「介護労働実態調査」の結果


実際に、公益財団法人 介護労働安定センターが行った調査では、人手不足の実感値は年々上昇している傾向にあります。また、今後はさらにその状況が深刻化される予想がされています。


需給推移

(参照:厚生労働省│2025年に向けた介護人材にかかる需給推計


厚生労働省の発表によると2025年はさらに人手が足りなくなることが見込まれています。

このように、将来的に介護サービスの利用者が増えることが予想される中、介護に関わる人手不足は大きな問題となるでしょう。

  • 行政は介護職員の処遇を改善するため、
  • 介護職員の給与改善
  • 介護福祉士を目指す学生への奨学金制度
  • 中高年ボランティアへの研修
  • 介護ロボット活用推進
  • 職場定着支援の助成金
  • 外国人材の受け入れ

など、さまざまな施策を打ち出しています。

(参照:厚生労働省│福祉・介護人材確保対策等について

人手不足は懸念されていますが「働き方」のさまざま処遇が改善されれば、離職率低下や入職者の増加が期待できます。ただし、高齢者が増え続ける一方で若者は減少していくため、今後も慢性的な人手不足が続く可能性があり、その都度人手不足の対策を実施する必要があるでしょう。

運輸業界の現状と見通し

今後、人手不足が予想されている一つの運輸業界。

現在、インターネットショッピング利用の増加で配達する荷物が増え、運送業界の人手不足が問題視されています。


トラックドライバー表

(参照:国土交通省│物流を取り巻く現状について


実際に、現在ドライバーの需要による人手不足を実感している企業は半数を占めています。今後もますますインターネットショッピングでの買い物が増えることが予想され、運送業界の人手不足はさらに深刻になると考えられるでしょう。

そのほかにも、今後、運輸業界の人手不足が深刻化していく要因があります。

それは、現役労働者の高齢化です。


物流の現状

(参照:国土交通省│物流を取り巻く現状について


物流の年齢構成

(参照:国土交通省│物流を取り巻く現状について


国土交通省の資料からもわかるように、今後、高齢者の増加と若年層の減少が予想されています。運輸業界は現在、40歳代以上の労働者が多くを占めています。この世代が退職するとともに、人手不足が起こる可能性が高くなるでしょう。

このような背景から国土交通省では「総合物流施策推進プログラム」という取り組みを進めています。具体的には、再配達を減らす対策として宅配ボックス設置を推進するなど、運送業界の負担を減らす取り組みが始められています。


物流施策推進プログラム

(参照:国土交通省│総合物流施策推進プログラムについて


また、コンビニエンスストアや駅などで荷物を受け取れるシステムをつくり、ドライバーの負担を軽くする仕組みづくりも進められています。

このように今後の運送業界は、宅配ボックスや荷物受け取りシステムの効率化などによって労働者の負担を減らしつつ、若い労働力の確保が必要になるでしょう。


今後予想される人手不足を緩和するためには

前述した業界は一例で、今後さまざまな業界で人手不足が起こると予想がされています。

そのため、それぞれの業界の現状や今後の対策について考えることが大切です。

また、経営者の方や管理職に就いている方は、それ以外にも従業員にとって、働きやすい環境を整えることも忘れてはいけません。

特に、求人需要が低い今後人手不足が懸念されるような業界は、「仕事に対してのやりがいや待遇の不満」「人間関係の不満」など、さまざまな理由から離職につながる可能性があります。「従業員ごとに見合った評価」「積極的なコミュニケーション」などに取り組むことも重要です。


まとめ

人手不足が深刻化すると、働く人が減ってしまうので企業は充分な活動を行うことができません。事業の継続には人手不足の改善が重要と言えるでしょう。ただ、業界ごとに人手不足の現状や今後の見通しは異なります。さまざまな情報を学び知識を深めて、人手不足の問題を解決していきましょう。


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