勤怠管理はエクセルが最適? エクセルテンプレートの使い方とメリット・デメリット
勤怠管理をタイムカードとエクセルで行うのはとても手軽です。
一方、シフト制の場合、エクセルの運用は締日の作業が大変になるというデメリットもあります。
ここでは、タイムカードとエクセルを使った勤怠管理の一般的な方法と、エクセルテンプレートの使い方およびメリット・デメリットについて詳しく説明します。
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タイムカードとエクセルの組み合わせは定番
従業員の出退勤時刻や休日数という勤務状況を正しく把握するために不可欠な勤怠管理。
長時間に及ぶ残業や賃金未払いなどのトラブルを防ぐためにも必要であり、使用者にとって重要な業務のひとつです。
代表的な勤怠管理の手段であるタイムカードとエクセルは方法として非常にシンプルです。
日々の勤怠は、出勤時と退勤時にタイムカードで打刻して管理するため、従業員にとってはとても手軽な方法といえるでしょう。
一方、エクセルで勤怠を管理する場合、管理者は、打刻されたタイムカードの内容をエクセルに転記し、勤務時間を集計する作業が必要になります。
毎回エクセルで新規ファイルを用意して集計をすると時間も労力もかかってしまいますが、そのようなときはエクセルの“テンプレート”を活用すると便利です。
ここからは、エクセルのテンプレートを活用する方法と、テンプレートを自作する方法の2パターン紹介します。
エクセルのテンプレートを使う方法
エクセルの勤怠管理用テンプレートは、Web上でも多数公開されていますが、数が多く迷ってしまうこともあるでしょう。
実は、エクセル自体にも、無料で使用できるさまざまなテンプレートが用意されていることをご存じでしょうか?
タイムカードと併用して勤怠管理をするなら、エクセルに用意されている“タイムシート”の活用がおすすめです。
まずはエクセルを開き、ファイル > その他のテンプレートからタイムシートをダウンロードします。
下の図は、エクセルのテンプレートであるタイムシートを利用して、7日間の従業員の勤務時間を算出した例です。
上の図のように、タイムカードに打刻された出社時刻や休憩時間、退社時刻を手動で入力します。
すると、G列に休憩時間を差し引いた一日の勤務時間が表示されます。
黄色で囲った“合計時間“の”作業”欄には、本シート内の勤務時間の合計を自動で算出してくれるほか、E列には残業時間も算出されます。
タイムシートは、「自分で関数を組んでテンプレートを作る自信がない」あるいは「テンプレートを作る時間がない」という方におすすめです。
※タイムシートのテンプレートは、Office2007-2019および365で動作します。
エクセルでオリジナルテンプレートを作る方法
あらかじめ用意されているテンプレートの利用方法を紹介しましたが、エクセルでは独自の条件を組み込んでテンプレートを自作する方法もあります。
まずは下の図のように、勤務日や出退勤、勤務時間を入力できる表を作成し、タイムカードの出退勤時刻をB・D・E列に入力します。
出勤時刻を15分もしくは30分単位で繰り上げる、あるいは退勤時刻を切り捨てる場合は、“CEILING”関数、“FLOOR”関数を用いると便利です。
まずは、出勤時刻を15分単位で繰り上げるCEILING関数について説明します。
上の図のように、C列4行に【=IF(B4="","",CEILING(B4,"00:15"))】を入力します。B列が空欄であれば空欄、そうでなければ15分刻みで繰り上げた時刻が表示されます。
次に、退勤時刻を15分単位で切り捨てる場合です。
上の図のように、F列4行に【=IF(E4="","",FLOOR(E4,"00:15"))】を入力しましょう。
E列が空欄であれば空欄、そうでなければ15分刻みで切り捨てた時刻が表示されます。
最後は、合計の勤務時間を算出します。
上の図のように、G列4行に【=IF(B4="","",F4-D4-C4】を入力しましょう。
B列が空欄であれば空欄、そうでなければ退勤時刻から休憩時間を差し引いた勤務時間を算出できます。
G列に算出された勤務時間の合計を集計するには、以下のようにSUM関数【=SUM(G4:G10)】をC列13行に入力します。
時間単位が正しく表示されない場合には、
セルを選択し、セルの書式設定 > 書式形式 > ユーザー定義 > 【 [h]:mm】を選択しましょう。正しい時間単位で表示が可能になります。
独特な社内規定がある場合や、汎用的なテンプレートでは管理できない場合は、このようにエクセルのテンプレートを自作する方法がおすすめです。
エクセルでの勤怠管理のメリット
エクセルで勤怠管理をするには、テンプレートの利用が効率的であることを紹介しました。エクセルで勤怠管理をするメリットをまとめると以下のとおりです。
- 無料のテンプレートもあり、専用の勤怠管理ソフトを買わなくてもよい
- 従業員はこれまでどおりタイムカードで対応してもらえばよい
- 出勤退勤などの打刻もれがひと目でチェックできる
- 国の規定しているとおりの勤務管理ができる
新しいソフトウェアやシステムをそろえなくても勤怠管理ができるという点は、コストの観点から見てもとても大きなメリットです。
エクセルには無料のテンプレートがついているため、それを利用してすぐに勤怠管理ができます。従業員はタイムカードの打刻のみとなるため、負担も少なく済みます。
また、タイムカードでの打刻は、国が勤怠管理として必要としている要素でもあるため、“国の基準に則った勤怠管理として体裁が整っている”ということもメリットのひとつです。
エクセルでの勤怠管理のデメリット
一方、エクセルでの勤怠管理は、従業員数が多くなると煩雑になりやすい点がデメリットです。
タイムカードの内容を手動でエクセルへ転記する必要があるため、内容に相違がないかチェックする仕組みがなければ、誤入力や改ざんなどのトラブルも起こり得ます。
エクセルでの勤怠管理のデメリットをまとめると、以下のとおりとなります。
- 計算エラーのリスクがある
- エクセルファイルが破損する可能性がある
- 集計の手間がかかる
- 不正の余地がある
- 会社全体の勤務状態がどうなっているのか把握しづらい
人の手を介するため、締日の集計作業に多大な労力と時間がかかる場合があります。集計作業に時間を取られることで、通常のコア業務に手が回らず、業務効率の低下をも招きかねません。
また、会社全体の勤務状態を把握できず、労務管理がしづらい点も問題です。4週4日や36協定などを確認するには、過去の勤務状態も俯瞰して見えるような仕組みになっていなければ、適切な管理は難しいでしょう。
手作業が誘発するミスや業務効率の低下を改善するためには、シフト管理システム等の業務効率化ツールの活用が必要といえます。
勤務時間の管理のみならず、雑務の負担を軽減させていくことが重要
ここまで、勤怠をタイムカードとエクセルテンプレートで管理する方法、そしてメリットとデメリットを説明しました。
しかし勤怠管理以外にも、シフト希望の収集やシフトの作成、労務管理、本部・他店舗との連携などのバックオフィス業務が本来の業務を圧迫しているということは間々あります。
たとえば「シフト管理の工数がかさんでいる」という場合は、勤怠管理と同様に、シフトもエクセルで管理しているというケースが多いです。
従業員が多く、だれがどういった勤務状況であるかの把握が難しい場合は、エクセルよりも、シフト管理を総合的にサポートできるシステムの導入を検討するとよいでしょう。
シフト管理システムのシフオプは、従業員の希望シフトデータを管理画面に集約でき、管理者はボタンひとつで休み希望を承認できるほか、モデルシフトを見ながらシフト時間の細かな調整が可能です。
タイムカードやエクセルでの管理の場合、締日になってから過重労働や長時間の残業に気づくケースも少なくありません。シフオプは、シフト作成時に、労務違反のリスクが高いシフトを自動で検知し、知らせてくれる便利な機能もあります。
労務関連の問題を未然に防げるため、企業と従業員の双方にとって安心できるシフトを作成できます。
また、多店舗展開をしている飲食店チェーンやコンビニエンスストアなどでは、店舗間で連携を図りたくても、環境が整わず、断念してしまうことも多いでしょう。
シフオプは1店舗だけではなく、複数店舗のシフト管理も可能なため、出勤希望者が足りない時間帯に店舗間でヘルプ募集をするという連携も可能になります。
いずれの操作もマウスのクリックやドラッグだけで完結するため、エクセルを使った手入力や関数の組み込みよりも簡単に、時間のかかるバックオフィス業務を効率化できます。
システムやWebサービスにまかせられるものはどんどんまかせて、その分のリソースを事業活動に再配置することで、さらなる事業の発展に注力できます。
シフオプなら初期費用0円で導入できる!
あらかじめOfficeが使える環境であれば、エクセルの利用は初期費用のかからないもっとも手軽な方法です。
エクセルでの管理の苦労はあっても、システムとなると、ランニングコストが気になって導入に踏み切れないという方も多いのではないでしょうか?
シフオプは初期費用0円で、月額利用料金は1ユーザーあたり300円(税別)で利用できる、低コストなシステムです。
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「エクセルのテンプレートを使ったシフト管理に限界を感じている」「シフト管理業務を効率化したい」という方は、ぜひシフオプの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
タイムカードとエクセルのテンプレートを使った勤怠管理方法と、それらを使った勤怠管理のメリット・デメリットについて解説しました。
シンプルかつ最低限のコストで勤怠管理を実現する方法として、タイムカードやエクセルテンプレートは便利である一方、人の手を介した計算やチェックにはミスがつきものです。知らないうちに過重労働が起きている可能性がないとは言い切れません。
また、勤怠管理とあわせて、シフト管理をはじめとするバックオフィス業務の効率化にも目を向けたいところです。
シフオプは、シフト作成の効率化はもちろん、労務管理や他店舗とのヘルプ連携までもをサポートします。
管理業務に多大な工数をとられている場合は、システムの導入で業務時間の短縮・効率化を図ってみてはいかがでしょうか。
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