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アルバイトの健康診断は義務化されている?制度の詳細を解説

一年に一度は実施される健康診断。

健康診断は、アルバイトやパートタイマーでも受診の対象となるのでしょうか。


実施するうえで「どの従業員が対象になるのか?」「受診を断られたら?」などの疑問があるかと思います。


本記事では、企業が健康診断を実施する際に把握しておくべき法律や、アルバイト・パートタイマーに健康診断を受けてもらう義務について解説します。


目次[非表示]

  1. 正社員には年に1度健康診断を受ける義務がある
  2. 健康診断の実施が必要な条件とは
  3. 勤務日ではないアルバイトの場合はどのように対処するか
  4. 健康診断の費用負担は事業主
  5. アルバイトへの健康診断実施は喜ばれる
  6. まとめ


正社員には年に1度健康診断を受ける義務がある

そもそも健康診断は、なぜ行わなければならないのでしょうか。

健康診断の目的は、企業が雇用責任として従業員の健康を管理するためです。

また、従業員が健康診断を受けることは、労働安全衛生法によって定められています。

(出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう~労働者の健康確保のために~」)


健康診断を受診することによって、従業員は自身の健康状態を知ることができ、生活習慣病の予防にもつながるでしょう。


なお、健康診断受診の対象となる従業員は、実施する健康診断の種類や勤務形態によって異なります。


定期健康診断について

企業が行う健康診断には、「一般健康診断」「特殊健康診断」という大きく分けて2つの種類があります。


特殊健康診断は、放射線業務や高気圧業務といった特定の業務に就いている方を対象に行われる健康診断です。

一般的に行われる定期健康診断は「一般健康診断」にあたり、年に一度の実施が義務付けられています。(深夜業や重激な業務などを行う特定業務従事者の場合は6か月に一度)対象は「常時使用する労働者」となるため、正社員は全員が対象です。

(出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう~労働者の健康確保のために~」「職場のあんぜんサイト:特殊健康診断[安全衛生キーワード]」)


ただし、ここで言う「常時使用する労働者」とは、正社員に限ったことではありません。雇用形態に関わらず、ある一定の条件を満たして働く従業員には、健康診断を受診させる義務があります。


健康診断の実施が必要な条件とは

健康診断は、従業員の勤務状況によって実施の義務が異なります。アルバイトやパートタイマーは受診の対象になるのでしょうか。


労働安全衛生法では、アルバイトやパートタイマーの定期健康診断について以下のように定めています。

・正社員の週所定労働時間の3/4以上働くパートタイム労働者に関しては、健康診断を実施する義務がある

・週所定労働時間の1/2以上、3/4未満働くパートタイム労働者に関しては、健康診断の実施が望ましい

(出典:厚生労働省「パートタイム労働者の健康管理マニュアル」)


正社員に限らず、一定の勤務条件を満たす従業員には、健康診断の実施が義務、あるいは推奨されています。


働き方の多様化が進むなかで、パートタイマーやアルバイト労働者の数は増加傾向です。そのため、パートタイマーやアルバイトを含む従業員全体の健康を管理することは、人材確保や生産性の向上にも影響があると考えられます。


注目を集めている健康経営の観点から考えても、従業員の健康診断には積極的に取り組む課題のひとつといえるでしょう。


勤務日ではないアルバイトの場合はどのように対処するか

定期健康診断は一年に一度、社内で実施するという企業も多いようです。


しかし、アルバイトやパートタイマーは勤務時間や出勤日数が個人で異なります。シフトの都合で出勤をしていない場合、健康診断を受けられないというケースもあるでしょう。

そういった従業員にも健康診断を受けてもらうためには、健康診断を数日に分けて実施するという方法があります。


そのほか、従業員が病院で受診した健康診断費用を企業で負担したり、健康診断をしている時間にも賃金を支払ったりするなど、受診しやすい工夫をしている企業もあるようです。


また、なかには、健康診断を断る従業員もいるかもしれません。

無理に受診させる必要はないのでは?と思いがちですが、健康診断は企業側だけでなく、条件を満たす従業員にとっても受診する義務があります。

(出典:厚生労働省「パートタイム労働者の健康診断を実施しましょう!!」)


受診を拒否する従業員に対しては、健康診断が法律上の義務であり、必ず受診しなければならないことを説明しましょう。


健康診断の費用負担は事業主

労働安全衛生法で定められた健康診断の費用については、企業側が負担するべきとされています。


また、健康診断にかかる時間には賃金が発生するのか?という疑問がありますが、一般的に受診にかかった時間の賃金は、事業者が支払うことが望ましいようです。

アルバイトやパートタイマーへ受診を促進するためにも、健康診断は勤務時間とみなし、規定の賃金を支払うといった検討が必要かもしれません。

(出典:厚生労働省「パートタイム労働者の健康診断を実施しましょう!!」)


では、診断の結果、再検査が求められた場合はどうなるのでしょうか。

定期健康診断は労働安全衛生法で義務と定められていますが、再検査の受診については法律で定められていません。そのため、再検査の費用については会社の就業規則に従って判断します。


また、厚生労働省では、再検査の必要がある従業員に対して精密検査当の受診を勧めるとともに、検査結果を提出するよう促すことが望ましいとしています。

(出典:厚生労働省「○健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する指針等について」)


企業にとって義務ではないものの、定期健康診断の結果次第では再検査の受診を勧めるようサポートも必要かもしれません。


アルバイトへの健康診断実施は喜ばれる

自費で健康診断を受けると高額のため、勤務先で受診費用を負担してもらえることは、従業員にとって満足度が高い制度といえます。


働き方改革により、働きやすい職場環境づくりや福利厚生の充実などが重要視されている今、従業員の健康管理は、企業にとってもメリットがあります。


従業員満足度の向上により、モチベーションや定着率の向上が期待できるだけでなく、健康管理を徹底することで、病気による離職を防ぎ、人手不足解消の糸口にもなるでしょう。


法律で定められているからというだけでなく、健康経営の一環と捉えて取り組んでみるのも良いかもしれません。


まとめ

正社員だけでなく、アルバイトやパートタイマーでも、一定の要件を満たす場合は健康診断を受診してもらう義務があります。


要件を満たさない場合には健康診断を受けさせる義務はないものの、従業員の健康管理は、企業の生産性向上や人員確保の面においても欠かせません。

可能な限り全従業員へ健康診断を実施することが望ましいといえるでしょう。


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