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深刻化する人手不足の現状と解消に向けた5つの対策

※2025年5月16日更新

アルバイト・パートの採用において、「求人を出しても応募がこない」「すぐに辞めてしまう」といった悩みを抱えている担当者の方もいるのではないでしょうか。

働き続けたいとは考えているものの、希望する労働条件に合わない、生活と両立できないという理由から、やむなく離職してしまう人も少なくありません。

このように、単純な求職者の不足だけでなく、労働条件や労働環境も人手不足の要因の一つと考えられます。企業としては、就労条件や職場環境の課題を認識したうえで、採用促進・定着率向上に向けて取り組むことが重要です。

この記事では、人手不足の現状と解消するための対策方法について解説します。 


目次[非表示]

  1. 人手不足の現状
  2. 人手不足が深刻化している原因
  3. 企業における人手不足の対策方法
  4. まとめ


人手不足の現状

現在、日本の産業全体において人手不足が加速しています。厚生労働省の『令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-』によると、2010年代以降ほぼすべての産業で欠員率が上昇しており、中小企業において顕著となっています。


▼企業規模別・就業形態別・産業別の欠員率

企業規模別・就業形態別・産業別の欠員率

画像引用元:厚生労働省『令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-


特に人手不足が深刻な業界として、医療・福祉業、建設業、運輸・郵便業、サービス業などが挙げられます。

厚生労働省の『労働経済動向調査』によると、2024年11月1日時点で正社員等労働者、パートタイム労働者の不足を感じている業界は、以下となっています。


▼正社員等労働者

産業

産業別労働者過不足判断D.I.

医療・福祉

63ポイント

建設業

57ポイント

運輸業・郵便業

57ポイント

学術研究・専門・技術サービス業

56ポイント

情報通信業

54ポイント

厚生労働省『労働経済動向調査(令和6年11月)の概況 』を基に作成


▼パートタイム労働者

産業

産業別労働者過不足判断D.I.

宿泊業・飲食サービス業

54ポイント

サービス業(ほかに分類されないもの)

54ポイント

卸売業・小売業

38ポイント

生活関連サービス業・娯楽業

36ポイント

運輸業・郵便業

35ポイント

医療・福祉

35ポイント

厚生労働省『労働経済動向調査(令和6年11月)の概況』を基に作成


なお、人手不足が深刻な業界については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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出典:厚生労働省『令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-』『労働経済動向調査(令和6年11月)の概況



人手不足が深刻化している原因

人手不足が深刻化している原因として、少子高齢化や経済社会活動の変化、人材採用競争の過熱化などが挙げられます。


少子高齢化による労働人口の減少

人手不足の原因の一つとして、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少が挙げられます。
内閣府の『令和6年版 高齢社会白書』によると、15〜64歳の生産年齢人口は2023年時点で7,395万人で、総人口の59.5%です。


▼人口の推移と将来推計

人口の推移と将来推計

画像引用元:内閣府『令和6年版 高齢社会白書


2030年には7,076万人、2040年には6,213万人と減少することが推計されており、人手不足がさらに進行していくと考えられます。


出典:内閣府『令和6年版 高齢社会白書


コロナ禍からの経済社会活動の回復

全産業における人手不足感は、新型コロナウイルス感染症が拡大するなかで一時的に落ち着いていたものの、経済社会活動の回復により再び強まりました。


▼雇用人員判断D.I.の推移

雇用人員判断D.I.の推移

画像引用元:厚生労働省『令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-


2023年度における雇用人員判断D.Iの推移を見ると、新型コロナウイルス感染症前と比較しても人手不足感が強まっており、特に宿泊・飲食サービスや中小企業において深刻なことが分かります。


出典:厚生労働省『令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-


人材採用競争の過熱化

コロナ禍で一時減少した有効求人倍率は、近年徐々に上昇しており、売り手市場が継続しています。


▼有効求人数・有効求職者数・有効求人倍率の推移

有効求人数・有効求職者数・有効求人倍率の推移

画像引用元:厚生労働省『令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-


有効求人倍率とは、求職者一人当たりに何件の求人があるかを示した数値のことです。1以上で売り手市場となり、求職者に対して企業の求人募集が上回っているといえます。

加えて、厚生労働省の資料によると、よりよい条件の仕事に就くための転職者数も増加が見られます。


▼前職離職理由別に見た転職者数の推移

前職離職理由別に見た転職者数の推移

画像引用元:厚生労働省『令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-


魅力的な待遇を提示しなければ、人材を獲得して自社に定着させることが難しい状況となっています。


出典:厚生労働省『令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-



企業における人手不足の対策方法

人手不足を解消するには、DX(Digital Transformation:デジタル・トランスフォーメーション)の推進や待遇の改善、積極的な人材育成、アウトソーシングの活用、多様な勤務制度の導入といった取り組みが有効です。 


①DXの推進

DXとは、デジタル技術を用いて製品・サービスや業務、企業文化などのビジネスモデルを変革させることをいいます。 また、DXを推進して、業務を自動化・省人化することで、人手不足の解消を図ることが期待できます。

DXを推進するには、AI・ロボットの導入のほか、Webサービスやアプリを活用して業務効率化を図ることも有効です。

ただし、DX化にはシステムを利用するためのIT知識や、組織体制の見直しが求められます。業務フローやプロセスを変革する場合は、ITの技術を持つ人材の採用・育成を図ることが重要です。


▼DXの推進例

  • クラウドサービスの導入
  • 業務システム(生産管理システム、勤怠管理システム、シフト管理システム等)の導入
  • ITツールやシステムを利用したテレワークの実施
  • 電子契約システム導入によるペーパーレス化


出典:経済産業省『DXレポート


②待遇の改善

売り手市場のなかで人材の採用促進や定着化を図るには、待遇の改善を検討する必要があります。

従業員の待遇を改善する施策として、賃金のベースアップが考えられます。一人当たり平均賃金の改定額と改定率は、以下のように推移しています。


▼一人当たり平均賃金の改定額および改定率の推移

一人当たり平均賃金の改定額および改定率の推移

画像引用元:厚生労働省『令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-

2023年においては約9割の企業でベースアップが行われており、改定額も含めて比較可能な1999年以降において最高水準となりました。ベースアップを実施していかなければ、求職者に自社を選んでもらうことが難しくなると考えられます。


出典:厚生労働省『令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-


③積極的な人材育成

人手不足を解消するためには、今いる従業員の育成を図り、労働生産性を高めることも重要です。

業務に関わる技術・ノウハウを習得させて、従業員のスキル向上を図ることで、対応できる業務の幅が広がるほか、作業効率を高めることが期待できます。マネジメント人材を育成すれば、組織力の強化にもつながります。

また、スキルアップを目指せる職場は、従業員のモチベーション向上にもなります。定着率を上げるために、スキルアップを後押しする取り組みも有効です。


▼人材育成の例

  • 資格取得の費用支援を行い、資格取得を後押しする
  • 業務に関わる技術・ノウハウの研修を定期的に実施する
  • 新人アルバイト・既存従業員など、能力に応じて教育する


④アウトソーシングの活用

アウトソーシングとは、業務の一部を外部に委託することです。事務処理のようなバックオフィス業務や、専門性を要する業務などを外部委託することで、人手不足の解消が見込めます。

アウトソーシングによって、社内の業務量が削減されて、コア業務に専念できるようになります。また、委託先の会社は専門性を有しているため、作業品質の向上も期待できます。

委託費用は発生しますが、結果的に社内の生産性が向上するため、人材不足をカバーできる可能性があります。


▼アウトソーシングの活用例

  • データ管理や書類の配送業務を委託する
  • 外部の研修・人材育成プログラムに参加する
  • ヘルプデスクを委託する


⑤多様な勤務形態の採用

幅広く人材を採用するために、多様な勤務形態を取り入れることも有効です。子育て世代や定年退職後の高齢者層の雇用を促すことによって、人手不足の解消が期待できます。

多様な勤務形態を導入することで、フルタイムで働くことが難しい方でも採用することが可能です。また、ライフステージに応じて働き方を柔軟に選択できるようにすることで、「仕事との両立が難しくなった」という従業員にも働いてもらいやすくなります。


▼多様な勤務形態の導入例

  • 業務内容に応じて在宅勤務を認める
  • フレックスタイム制を導入する
  • 短時間勤務を導入する


多様な勤務形態を導入する際は、一人ひとりの勤務時間の管理が煩雑化しやすいため、シフト管理システムの活用が有効です。



まとめ

この記事では、深刻化する企業の人手不足について、以下の項目を解説しました。


  • 人手不足の現状

  • 人手不足が深刻化している原因

  • 企業における人手不足の対策方法


さまざまな業界で人手不足が深刻化しています。人手不足を解消するには、人材の採用に加えて、DX化による生産性の向上、待遇改善、人材育成、アウトソーシングの活用、多様な勤務形態の導入といった取り組みが有効です。

特に、多様な勤務形態を導入する場合は、シフト管理が複雑になりやすいといった課題があります。適正かつ効率的にシフト管理を行うために、複数の雇用形態・勤務形態に対応できる『シフオプ』の活用が有効です。

シフオプを活用することで、個々の事情に配慮したシフトを効率的に作成できます。正社員だけでなく、アルバイト・パートなどの非正規雇用や、高齢者雇用においても、柔軟に対応することが可能です。

人手不足の解決に向けてシフト制の導入を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

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