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働き方改革とは? 実現に向けた6つの企業の取組み事例

※2020年2月26日公開の記事に修正を加えています。

2019年4月からスタートした働き方改革。法改正に伴い、企業のルールや労働者に対する処遇改善、職場環境も変化しています。

今後も人手不足や働き手のニーズの多様化が進むことが予想されるなか、企業には従業員が働きやすい環境をつくり、従業員の定着・確保につなげる取組みが求められます。

しかし、働き方改革に向けて対応を検討するものの、「企業における働き方改革とは何だろうか」「具体的に何から取り組めばいいのだろうか」と考える担当者の方もいるのではないでしょうか。

この記事では、働き方改革の実現に向けた取組みや事例について解説します。

なお、ITを活用した働き方改革の取組みや、人手不足の解消についてはこちらの記事をご確認ください。

  ITを活用した働き方改革の取組み事例と導入課題 少子高齢化による人口の減少や働き手のニーズの複雑化といった課題を解決していくには、“働き方改革”によって雇用形態による待遇差をなくすとともに、就業機会を拡大して働く意欲・能力を存分に発揮できる社会の実現が必要です。今回は、ITを活用した働き方改革の取組み例や導入課題について解説します。 シフオプ
  “働き方改革”で人手不足の解消を目指す よりよい働き方や生産性向上を目指す働き方改革とは。近年、企業の人手不足が問題視されていますが、働き方改革はこの人手不足の解消のためにも有効だといえるでしょう。本記事では、人手不足解消の手立てとなる働き方改革について、どのような対応が求められるのかを解説します。 シフオプ


目次[非表示]

  1. 働き方改革とは
  2. 働き方改革の実現に向けた6つの取組み事例
  3. 従業員の労務管理に役立つシフト管理システム
  4. まとめ


働き方改革とは

働き方改革とは、労働者一人ひとりの事情に応じた柔軟な働き方を選択できる社会を実現して、労働者がよりよい将来の展望を持てるようにすることを目的とした取組みです。

少子高齢化が進む日本では、生産年齢人口が減少することによる企業の労働力不足が課題となっています。

不足している労働力を補い、若者から高齢者まで誰もが働きやすい社会になるようにするには、次のような施策が求められます。



課題
施策
労働力の不足
多様化した働き方のニーズに応えられる職場環境の構築
生産年齢人口の減少
就業機会の拡大や多様な勤務制度の拡充
不合理な待遇差
正規雇用と非正規雇用の待遇差を解消した公正な評価体制の整備


働き方改革関連法では、『パートタイム・有期雇用労働法』が改正されて、雇用形態間における不合理な待遇差を設けることが2020年4月から(中小企業では2021年4月から)禁止されました。

雇用形態間の待遇差を解消することで、次のことが期待できます。

  • 求職者への企業アピールと人材の確保
  • 従業員のモチベーション・労働生産性の向上

出典:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署『働き方改革関連法のあらまし(改正労働基準法編)』/厚生労働省『「働き方改革」の実現に向けて』『不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル(業界別マニュアル)』『令和元年版 労働経済の分析



働き方改革の実現に向けた6つの取組み事例

働き方改革が実施される背景には、人口減少による労働力不足が挙げられます。求人募集をかけても人が集まらない、採用しても定着しづらいといった理由で人手不足に困っている担当者の方も多いのではないでしょうか。

人材確保や定着化を図るには、働きやすい職場環境を整備することが重要です。
ここからは、働き方改革を実現するための具体的な取組み事例を紹介します。


①非正規雇用の格差改善

正規雇用と非正規雇用の待遇差は、従業員のモチベーション低下や離職につながるケースも少なくありません。

働き方改革関連法により改正された『パートタイム・有期雇用労働法』では、雇用形態間における不合理な待遇差を設けることが禁止されました。そのため、企業は職務内容や配置変更の範囲に応じて、各従業員の待遇を決定する必要があります。

雇用形態にかかわらず、公平な待遇を確保することで、生産性向上や新たな採用の促進などの効果が期待できます。


▼非正規雇用の格差改善事例


業種
製造業
課題
労働環境の不備を理由に退職が相次いでいた
取組み
  • 同一労働同一賃金の考え方に沿って、業務マニュアルの確立、1分単位の仕事計画の導入を行った
  • 各従業員の業務リードタイムを階層化して、能力・経験・業績・成果に応じた給与体系を整えた
効果
雇用形態で業務を区別せず、仕事の付加価値を生み出したことで、従業員の仕事に対する意識の向上につながっている


出典:厚生労働省『同一労働同一賃金』『田代珈琲株式会社』/厚生労働省 東京労働局 雇用環境・均等部 指導課『パートタイム・有期雇用労働法~同一労働同一賃金について~


②幅広い人材の雇用促進

企業の人手不足を解消するためには、高齢者や主婦・主夫、外国人労働者といった幅広い人材の雇用を促進する取組みが必要といえます。

多様な人材を受け入れるには、従業員の事情・ライフスタイルを考慮した職場環境の整備、家事や育児などと両立できる勤務制度の導入が挙げられます。


▼幅広い人材の雇用促進事例

業種
金融業
課題
女性従業員が働きやすい職場環境に向けて取り組んでいたが、自由闊達な意見を得る機会がなく、改善策を検討していた
取組み
  • 女性活躍推進チームを設置して、職場環境に対するミーティングを実施した
  • 仕事と育児を両立する施策を導入した
    (短時間勤務、勤務時間の自由選択、産休・育休者向けの研修の実施等)
  • 女性の管理職を目指すための取組み、パートタイマーの正社員への積極的登用を行った
効果
  • 女性の働きやすさを実感している企業として学生人気が上昇した
  • ブランディングにも効果をもたらして、企業価値の向上につながった


出典:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署『働き方改革関連法のあらまし(改正労働基準法編)』/厚生労働省『株式会社長野銀行


③ICT活用による生産性の向上

働き方改革の取組みの一つとして、生産性向上に向けたICTの活用が挙げられます。働き方改革に関連するICTには、電子決済システムやクラウド、オンライン商談ツールなどがあります。

ICTを取り入れることで、業務効率の向上や負荷の軽減が図られ、品質や生産性の向上につながります。その結果、働きやすい職場環境となり、人材の確保や定着が期待されます。


▼ICT活用による生産性向上の事例

業種
福祉サービス業
課題
  • 介護業務の身体的な負荷による腰痛、それに伴う離職・人手不足が起きていた
  • 手書きでの記録業務も現場での負担となっていた
取組み
介護設備・機器の導入、オリジナル介護ソフトによる記録業務等のICT化
効果
  • ベッドからの移乗や入浴介助などの業務において、従業員の体力的な負担を軽減した
  • 従業員の業務の効率化、精神的な負担軽減が図られ、業務への専念度が向上した


出典:総務省『令和3年版 情報通信白書のポイント』/厚生労働省『社会福祉法人海望福祉会


④在宅勤務の導入

従業員が自身の事情に応じて、柔軟に働ける職場環境を整備するために、在宅勤務を導入することも一つの方法です。

在宅勤務を導入すると、育児や介護、託児送迎に対応しながら自宅で働くことができるため、仕事とプライベートの両立を支援できます。

また、家庭の事情やプライベートの予定に合わせて、柔軟に働く時間を選択できるフレックスタイム制の導入も有効です。仕事との両立が難しく、就業を諦めていた従業員の定着化を図れます。


▼在宅勤務の導入事例

業種
学術研究、専門・技術サービス業
課題
結婚や引越しを理由としたキャリア継続に不安を抱える従業員がいた
取組み
  • テレワーク導入に伴い、クラウド上のバーチャルオフィス・勤怠管理・制作進行管理ソフトといったシステムを導入した
  • オフィス勤務、在宅勤務、オフィス勤務と在宅勤務の併用といった3つの勤務形態を取り入れた
効果
  • 育児や家事、仕事と両立した柔軟な働き方ができるようになった
  • キャリアを諦めずに仕事を継続できる体制と、それを当然とする社風ができた


出典:総務省『令和3年版 情報通信白書のポイント』/厚生労働省『フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き』『株式会社エフスタイル


⑤多様な休暇制度の導入

従業員の有給休暇の取得を促進して、ワーク・ライフ・バランスの実現を図るために、多様な休暇制度を導入する方法があります。

法令で定められた有給休暇に加えて、独自の休暇制度を設けることで、休暇を取得しやすい職場環境を構築できます。

柔軟に休暇が取れる職場環境は、従業員のモチベーション向上につながり、仕事への効率や質にもよい効果をもたらすと考えられます。


▼多様な休暇制度の導入事例

業種
製造・販売業
課題
従業員の生活の質を高めて、仕事の質にもよい影響をもたらす働き方改革を行う
取組み
  • 連続2週間の長期連続休暇制度を導入した
  • リフレッシュ休暇と特別手当の付与、有給の記念日休暇制度を導入した
効果
  • ワーク・ライフ・バランスを改善したことで、仕事・休暇共に充実して、仕事の効率向上、残業時間削減につながった
  • 有給休暇の取得率が向上した


出典:厚生労働省『株式会社タバタ


⑥長時間労働の是正

長時間労働は、労働者の心身の健康を損なうリスクがあるほか、労働災害に発展するケースがあります。また、仕事と家庭生活の両立を困難にして、女性のキャリア形成や男性の家庭参加を阻む可能性も少なくありません。

企業は、従業員の労働時間を適正に管理するとともに、業務の効率化、生産性の向上を図り、長時間労働を生まない環境に改善することが必要です。

そのためには、組織全体の意識改革をはじめ、生産性を高められる業務ツールや制度を導入することがポイントです。


▼長時間労働の是正事例

業種
建設業
課題
従業員にヒアリングを行ったところ、勤務時間が長い、休みが少ないという声があった
取組み
  • 建設現場の従業員に配布されているパソコンを通じて、業務の情報共有ができる仕組みを構築した
  • Web会議、ドローンなどのIT技術を導入した
効果
  • 現場の情報共有の円滑化によりタイムラグを解消して、一人あたりの平均年間時間外労働時間を2年間で40時間弱削減できた
  • IT技術を作業現場に取り入れたことで、作業速度と生産性が向上した


出典:厚生労働省『長時間労働削減に向けた取組』『過重労働による健康障害を防ぐために』『株式会社荒木組』/厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署『働き方改革関連法のあらまし(改正労働基準法編)



従業員の労務管理に役立つシフト管理システム

働き方改革を実現するためには、適切な労務管理を行い、個々の事情に合わせた働きやすい職場環境をつくることが重要です。しかし、従業員の労務管理において、以下のような課題を抱える担当者の方も少なくありません。

  • 従業員数が多くシフト作成に時間がかかっている
  • コンプライアンスチェックまで手が回らない
  • 人員の最適化が行えていない


シフオプ


シフト管理システムの『シフオプ』は、クラウド上でシフトの収集・作成・共有ができるシステムです。シフト管理者の業務を効率化できるほか、従業員の労務管理に役立つさまざまな機能が備わっています。


▼シフオプでできること

  • 複数店舗のシフト管理
  • 勤務時間・欠員状況の可視化
  • 労務規定違反リスクのあるシフトにアラートを出す
  • 人件費の設定・自動計算
  • 手動での人員配置の調整

シフオプを活用すると、一つの店舗・部署だけでなく全社を通して一元的なシフト管理が可能です。人手が足りない業務・時間帯を可視化することで、店舗間でのヘルプ募集や新規の求人募集にも役立ちます。

また、連続勤務や長時間勤務など、労務規定違反リスクのあるシフトは、自動で検知してアラートが表示されます。労務規定を遵守したシフト作成によって、過重労働の防止、働きやすい職場づくりに貢献します。

シフトの作成時には人件費が表示されるため、予算に基づいた人員配置を手動で行えることも特長です。限られた人材リソースを無駄なく配置できるようになり、人手不足の解消につながります。

シフオプの機能については、こちらのページをご確認ください。

  機能紹介 | シフト管理のシフオプ 機能紹介。「シフオプ」はリクルートが提供する、シフト管理システムです。直感的に操作できる編集画面と多彩な機能、きめ細やかな設定で、 企業の規模や形態に合わせて柔軟にご利用いただけます。 https://www.shifop.jp/function/




まとめ

この記事では、働き方改革について、以下の項目を解説しました。

  • 働き方改革とは
  • 働き方改革の実現に向けた取組み事例
  • 従業員の労務管理に役立つシフト管理システム

働き方改革によって改善が求められている日本の労働環境。少子高齢化による人手不足の課題に対応して、人材確保や定着促進を図るためには、従業員にとって働きやすい職場環境の整備が求められます。

具体的な取組みには、長時間労働の是正、雇用形態間の待遇差の解消、幅広い人材の雇用促進、在宅勤務の導入、ICTの活用、多様な休暇制度の導入が挙げられます。

企業の取組み事例を参考にしながら、働き方改革の本格的な実現に向けて施策を検討されてはいかがでしょうか。

なお、過重な長時間労働を防ぎつつ、個々の事情に合わせて働き方を選択できる職場環境をつくるためには、シフト管理体制の見直しも必要です。

従業員のシフト管理に役立つシフオプについては、こちらをご確認ください。

  導入メリット | シフト管理のシフオプ 導入メリット。ヘルプ活用による労働力の確保や人件費の最適化など、シフオプ導入により得られるメリットをご紹介しています。 https://www.shifop.jp/merit/


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