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シフト制アルバイトの労務管理

就業時間が決まっている固定制勤務の職場とは異なり、シフト制勤務の職場では一人ひとりの始業や終業時間が異なるケースが多いため、労務管理業務も煩雑になります。

シフト制の場合、合理的な労務管理を行うためには、どのような工夫が必要になってくるのでしょうか。


目次[非表示]

  1. “労務管理”は何をする仕事?
  2. 時間や労働日数を管理する労務の重要性
  3. シフト編成と勤怠管理を適切に行う
  4. まとめ


“労務管理”は何をする仕事?

労務管理は、労働条件や労働環境に関する事務手続きを担います。
たとえば、労働時間・賃金の管理、社会保障への加入・利用、就業規則の作成・周知など、労働基準法や企業独自のルールに基づいた業務を行います。
一般的な労務管理の担う役割について、簡単にみていきましょう。

労務管理の具体的な役割

①労働時間管理
労働時間、勤怠、休日などを管理します。

②賃金管理
給与計算や各種手当、控除などを管理します。

③公的手続きの実施・管理
雇用保険、年金、健康保険への加入や費用を管理します。

④安全衛生および健康管理
業務や職場でのケガや病気などの労働災害を防ぎ、安全で衛生的、健全な職場づくりを担います。

⑤労務トラブル対応
職場でのハラスメント、従業員の就業規則違反など労働に関するトラブルに対応します。

⑥就業規則
労務管理者は管理職・労働者に対して就業規則を周知する役割を担います。

時間や労働日数を管理する労務の重要性

シフト制勤務の職場では、さまざまな時間帯のシフトパターンが用意されているため、従業員の労働時間の把握に注意が必要です。

たとえば、深夜帯の勤務がある場合、その勤務時間に応じて深夜割増賃金の計算をする必要があります。また、条件に合う従業員は社会保険の加入対象になるため、加入手続きも行わなければなりません。

このほか、有給休暇の管理もあります。パート・アルバイトの従業員で、週の所定労働時間が30時間未満の場合でも勤務日数や勤続年数に応じて有給休暇を付与することが義務付けられています。

労務管理は従業員の権利を守り、企業としての信頼性を高める大切な業務です。以下では、労務管理で発生する社会保険や有給休暇の取得条件と業務内容をみていきましょう。

雇用保険の加入条件

勤務開始日から31日間以上働く見込みがある場合、雇用保険に加入しなければなりません。

また、31日未満で雇い止めすることが明示されておらず、契約を更新する場合があるときは、31日以上働く見込みがあるとして雇用保険に加入します。

(1)31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること。具体的には、次のいずれかに該当する場合をいいます。

期間の定めがなく雇用される場合

雇用期間が31日以上である場合

雇用契約に更新規定があり、31日未満での雇止めの明示がない場合

雇用契約に更新規定はないが同様の雇用契約により雇用された労働者が31日以上雇用された実績がある場合 ( 注 )

[(注)当初の雇入時には31日以上雇用されることが見込まれない場合であってもその後、31日以上雇用されることが見込まれることとなった場合には、その時点から雇用保険が適用されます。]

(2)1週間の所定労働時間が 20 時間以上であること。

(出典:厚生労働省「雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!」)


労務管理では、勤務開始日から今後の働く見込みのあるパートやアルバイトに対して、雇用保険の加入を確認し、手続きを行います。

社会保険の加入条件

雇用保険以外の社会保険には、年金・健康保険・労災保険があります。

一般的には、アルバイトやパートも正社員の4分の3以上の労働時間であれば社会保険に加入しなければなりません。たとえば、正社員が1週間に40時間働く場合、パートやアルバイトは30時間以上で加入条件を満たします。

また、従業員数の多い一部の企業では週20時間以上の労働時間契約かつ、年収106万円以上に該当する従業員も社会保険の加入対象になります。加入条件は以下のとおりです。

1.週の所定労働時間が20時間以上あること

2.雇用期間が1年以上見込まれること

3.賃金の月額が8.8万円以上であること

4.学生でないこと

5.常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めていること

(出典:日本年金機構「適用事業所と被保険者」)

これら加入条件を考えながら、労務管理は行われています。

有給休暇の付与条件

忘れてはならないのが従業員の休日です。半年以上勤務している職場で、契約時に定めた所定労働日の8割以上出勤している場合、パートやアルバイトでも採用から6か月経った時点で有給休暇が付与されます。

(年次有給休暇)

第39条 使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。

(出典:厚生労働省「年次有給休暇について<参照条文>」)


勤務年数によって付与日数も増減するため、労務管理では従業員の勤続年数の把握も必要です。

契約では加入条件を満たしていないが、実際は加入条件を満たしている場合

「最初の契約では、1日5時間、週4日の約束だったので社会保険に加入しなかったけれど、毎日2時間残業することになってしまった」といったケースでは、契約上は社会保険加入条件にあてはまっていなくても、実際には条件を満たしています。

社会保険は資格取得したときから5日以内に届出をしなければなりません。
社会保険の加入を希望する場合、契約条件を見直す必要があります。

また、社会保険の手続きを怠っていると罰則の対象となってしまう可能性もあるため、労務管理が行う勤務日数の管理はとても重要です。

労務管理で発生する雇用契約書の作成義務について

雇用契約書は雇用者が労働者に対して交付します。

雇用契約が単なる口約束ではなく、雇用契約書を作成することで、労働者側も安心して働けます。雇用契約書の交付は、早期離職や労使紛争の予防にもつながります。雇用契約書自体は義務ではないため、小規模経営の企業や店舗では作成しない場合もあります。

しかし、雇用契約の際、企業は従業員に対して労働条件を明示することが義務化されています。さらに、賃金に関する5つの事項については書面で明示しなければいけません。

【書面の交付による明示事項】

①労働契約の期間

②就業の場所・従事する業務の内容

③始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交代制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項

④賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締め切り・支払いの時期に関する事項

⑤退職に関する事項(解雇の事由を含む)


【口頭の明示でもよい事項】 

①昇給に関する事項 

②退職手当の定めが適用される労働 者の範囲、退職手当の決定、計 算・支払いの方法、支払いの時期 に関する事項

③臨時に支払われる賃金・賞与など に関する事項 

④労働者に負担させる食費・作業用 品その他に関する事項 

⑤安全衛生に関する事項 

⑥職業訓練に関する事項 

⑦災害補償、業務外の傷病扶助に関 する事項 

⑧表彰、制裁に関する事項 ⑨休職に関する事項


(出典:厚生労働省「キャリアアップ2010」)

シフト編成と勤怠管理を適切に行う

労務管理がいかに大切であり、重要なことなのか解説しました。労務管理の業務は多岐にわたりますが、日常的に行う業務のなかでもっとも煩雑といえるのが勤怠管理です。

シフト制勤務の職場では、従業員によって一日の所定労働時間が異なります。また、扶養の範囲内で勤務したい従業員や、留学生のアルバイトを抱える職場では、勤務時間に上限があるため注意深い勤怠管理が求められます。このようなときは、クラウド型のシフト管理サービス“シフオプ”を活用して、シフトの作成段階から適切に管理することがおすすめです。

シフオプは、CSVファイルでシフトデータを出力できるため、ほかの勤怠ソフトとの連携が可能。急な欠勤や残業、勤務時間の変更などをその都度シフオプ上で修正しておけば、連携後正しい勤怠状況が反映されます。また、従業員の勤務時間がコンプライアンスに触れる場合は警告が表示されるため、健全なシフト作成にも役立ち、シフト制勤務ならではの労務管理業務を簡素化できます。


まとめ

シフト制勤務の職場の労務管理は注意すべきポイントが多く、管理者の業務も増えます。従業員の多い職場はなおさらシフト管理もデジタル化して業務工数を削減したいものです。

シフオプは労務管理者やシフト編成者にとって役立つ機能が充実しています。慎重さが必要な労務管理を合理的に行うために、シフオプを活用してみませんか。

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