catch-img

アルバイト・パート雇用時のマイナンバー収集は義務? 拒否された場合の対応とは

アルバイト・パートを雇用している企業では、法律で定められた行政手続きを行う際に、従業員のマイナンバーを確認しなければならない場面があります。

しかし、アルバイト・パートにマイナンバーの提出を求めた際に拒否されてしまい、スムーズに収集できないとお悩みの人事・労務担当者の方もいるのではないでしょうか。

そこで気になるのが、“マイナンバーの提出が義務なのか”という点です。

この記事では、人事・労務担当者の方に向けて、アルバイト・パートのマイナンバー提出に関する義務をはじめ、収集が必要になる場面、拒否された場合の対応について解説します。


目次[非表示]

  1. マイナンバーに関する事業者の義務
  2. マイナンバーが必要になる場面
  3. マイナンバーの提出を拒否された場合の対応
  4. まとめ


マイナンバーに関する事業者の義務

事業者は、従業員の税金や社会保障に関する行政手続きを行う際に、書類にマイナンバーを記載する義務があります。


▼マイナンバーの記載義務

画像引用元:国税庁『源泉徴収事務・法定調書作成事務におけるマイナンバー制度


一方、従業員はマイナンバーを提出する義務はなく任意とされています。

法律で定められた行政手続きでマイナンバーが必要になる場合には、事業者は従業員に対してマイナンバーの提出を求めることが可能です。

なお、従業員から収集したマイナンバーについては、法定の行政手続き以外で利用することはできません。

出典:国税庁『源泉徴収事務・法定調書作成事務におけるマイナンバー制度』/デジタル庁『よくある質問:民間事業者における取扱いについて



マイナンバーが必要になる場面

事業者側が行政手続きを行う際、アルバイト・パートのマイナンバーが必要になる場面として、主に以下の3つが挙げられます。


①雇用保険の手続き

事業者が雇用保険の手続きをする際に、届出の書面に必ずマイナンバーを記載する必要があります。

雇用保険は、雇用形態や規模にかかわらず、従業員を一人でも雇用する場合に加入が義務づけられています。

この雇用保険の加入手続きの際、事業者は雇用保険法に基づいて、マイナンバーを届け出ることが義務となっています。なお、雇用保険の被保険者資格喪失の届出や給付申請手続きにも、マイナンバーの記載が必要です。

従業員のマイナンバーを記載する届出・申請書には、以下が挙げられます。


▼マイナンバーの記載が必要な届出・申請書

画像引用元:厚生労働省『雇用保険の届出にマイナンバーの記載が必要です。


出典:厚生労働省『雇用保険の届出にマイナンバーの記載が必要です。』『平成28年1月から、雇用保険の届出にはマイナンバーの記載が必要です。』『雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!


②社会保険(健康保険・厚生年金保険)の手続き

社会保険に加入する際は、原則として従業員のマイナンバーを書類に記載して届出をする必要があります。

マイナンバーを記載せずに届出を行った場合、マイナンバーカードまたは健康保険証で医療機関を受診した際に、資格や一部負担金限度額の確認に支障が生じる可能性があります。

なお、事業者は、社会保険の各種届出書に従業員のマイナンバーを記入する際、本人に確認するとともに、利用目的を明示する必要があります。

マイナンバーの記載が必要となる社会保険に関する手続き書類には、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届・喪失届などが挙げられます。

出典:デジタル庁『よくある質問:民間事業者における取扱いについて』/厚生労働省『健康保険の加入手続きにはマイナンバーの記載が必要です』『社会保障・税の手続書類へのマイナンバー(個人番号) の記載について、事業主・従業員の皆さんのご協力をお願いします。』『雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!


③給与所得の源泉徴収票の提出

事業者が税務署に提出する2016年分以降の給与所得の源泉徴収票には、給与の支払いを受ける従業員のマイナンバーを記載する義務があります。

給与所得の源泉徴収票の内容に応じて、給与の支払いを受ける従業員だけでなく、控除対象配偶者や控除対象扶養親族のマイナンバーも記載します。

また、事業者が給与の支払いを受ける従業員からマイナンバーを収集する際は、マイナンバーカードや運転免許証などを用いて本人確認を行うことも求められます。

なお、給与の支払いを受ける従業員に対して交付する源泉徴収票や支払通知書については、マイナンバーを記載する必要はありません。

出典:国税庁『源泉徴収事務・法定調書作成事務におけるマイナンバー制度』『本人へ交付する源泉徴収票や支払通知書等への個人番号の記載は必要ありません!』『法定調書に関するFAQ



マイナンバーの提出を拒否された場合の対応

雇用保険や社会保険に関する届出、給与所得の源泉徴収票を提出する際に、マイナンバーの提出を求めたものの従業員から拒否された場合には、以下の対応をとります。


事業者の義務であることを伝える

事業者には従業員のマイナンバーを取得する義務があること、行政に提出する書類にマイナンバーを記載する必要があることを伝えます。

法律で定められた義務である旨を伝えて提出を求めたものの、従業員から提供を受けられなかった場合は、マイナンバーの記載がない届出書が受理されるのが一般的です。

マイナンバーの提供を受けられなかった場合の手続きについては、提出先の機関に確認して指示に従うようにします。

出典:デジタル庁『よくある質問:民間事業者における取扱いについて』/厚生労働省『雇用保険の届出にマイナンバーの記載が必要です。』/国税庁『法定調書に関するFAQ』『源泉徴収事務・法定調書作成事務におけるマイナンバー制度


提出を求めた経過を記録・保存する

事業者は、従業員に対してマイナンバーの提出を求めた経過を記録・保存しておきます。

行政手続きや法定調書の提出にあたって、マイナンバーの記載は事業者の義務となるため、安易に記載しないまま提出することは望ましくないといえます。

従業員にマイナンバーの提出を拒否された場合、“提出を求めたものの、結果として提供を受けられなかった事実”を記録・保存して、経過を明確にしておくことが重要です。

なお、マイナンバーの提出を受けられなかった従業員に対しては、手続きのあとも引き続き提出を求める必要があります。

出典:国税庁『法定調書に関するFAQ



まとめ

この記事では、マイナンバーの提出義務について以下の内容を解説しました。


  • アルバイト・パートにおけるマイナンバーの提出義務
  • マイナンバーが必要になる場面
  • 提出を拒否された場合の対応


事業者が雇用保険・社会保険の手続きを行う際や、税務署に提出する給与所得の源泉徴収票を作成する際には、従業員のマイナンバーを記載する義務があります。

マイナンバーの提出を拒否された場合、事業者の義務であることを周知して、再度提出を求めます。それでも提供を受けられない場合には、従業員に対してマイナンバーの提出を求めた経過を記録・保管しておくことが重要です。

なお、アルバイト・パートの雇用時に気をつけるルールとして、マイナンバーのほかにも労働基準法に基づく労務管理が挙げられます。シフト管理システムの『シフオプ』は、法令に基づいたシフト作成に役立ちます。詳しくは、こちらをご確認ください。

  機能紹介 | シフト管理のシフオプ 機能紹介。「シフオプ」はリクルートが提供する、シフト管理システムです。直感的に操作できる編集画面と多彩な機能、きめ細やかな設定で、 企業の規模や形態に合わせて柔軟にご利用いただけます。 https://www.shifop.jp/function/


労働基準法のルールについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

  これも労働基準法違反?! アルバイト雇用時に気をつけたい労働基準法 アルバイトやパートであっても、契約の元で雇用を契約を締結する以上、労働基準法をしっかりと守らなければなりません。ここでは、うっかり見落としてしまいがちな、アルバイトやパートに対しての労働基準法違反について、詳しくご紹介します。 シフオプ


お問い合わせ・資料請求はこちらから

シフト管理効率化・人件費管理強化サービスシフオプ利用ユーザー数80,000人突破!資料ダウンロード(無料)
月40時間以上の業務節減!!業務効率化・人手不足対策・人件費・管理強化・シフト管理効率化など...

人気記事ランキング

タグ一覧

関連記事