24時間勤務は違法? 労働基準法における取扱いを解説

24時間勤務は違法? 労働基準法における取扱いを解説

病院や警備会社などの24時間体制の職場では、24時間勤務と呼ばれる勤務体制が採用されることがあります。

24時間勤務には労働基準法で定められた制限があるため、働き方の原則を正しく理解しておくことが重要です。

この記事では、24時間勤務の基礎知識や労働基準法における取扱い、24時間勤務のシフトパターンについて解説します。


目次[非表示]

  1. 24時間勤務とは
  2. 24時間勤務の注意点
  3. 24時間連続勤務でない場合のシフトパターン
  4. まとめ


24時間勤務とは

24時間勤務とは、その名のとおり24時間働く勤務形態のことを指します。

ただし、24時間連続して働くわけではなく、8時間の休憩が設けられています。そのため、実際の労働時間は16時間となるのが一般的です。また、休憩時間は8時間連続して付与するとは限らず何度かに分けることも可能です。

24時間勤務は、一度の勤務で2日分働いたものとして換算されるため、24時間勤務明けの当日と翌日は、休日に設定する必要があります。

月曜日を24時間勤務日とした場合の1週間のシフト例は以下のとおりです。


▼1週間のシフト例

月曜日
24時間勤務
火曜日
休み
水曜日
休み
木曜日
24時間勤務
金曜日
休み
土曜日
休み
日曜日
24時間勤務


ただし、上記のように24時間勤務を続けると、週の労働時間が48時間となり、労働基準法上の労働時間の原則となる週40時間を超えてしまいます。

そのため、上記のいずれかの勤務日に通常勤務を挟んで、週の労働時間が40時間を超えないように設定することが必要です。

出典:厚生労働省『労働時間・休日



24時間勤務の注意点

24時間勤務自体は、違法ではありません。ただし、勤務形態や休憩時間の体制などによっては違法となるケースもあるため、注意が必要です。

労働基準法では、労働日として扱われる日が“始業時刻の属する日”と定められています。そのため、始業開始の日付が変わる夜勤から日勤への連続勤務は違法とはなりません。


▼違法にならないケース例

4月1日
20時
勤務開始(休憩1時間含む)
4月2日
5時
休憩開始
11時
勤務開始(休憩1時間含む)
20時
勤務終了


反対に、日勤から夜勤への連続勤務で、勤務開始の日付が同一になる場合は、法定労働時間を超える時間に割増賃金を支払う必要があります。


▼違法になるケース例(割増賃金を支払う必要あり)

4月1日
8時
勤務開始(休憩1時間含む)
17時
休憩開始
23時
勤務開始(休憩1時間含む)
4月2日
8時
勤務終了


休憩時間中に電話対応や来客の対応などを行う場合は、休憩時間と認められないため注意が必要です。

また、労働基準法上の休日は、原則として暦日(0〜24時の連続24時間)を単位として付与します。

そのため、24時間勤務明けの当日は休日として取扱うことはできません。法定休日を付与できるのは、24時間勤務明けの翌日となります。

ただし、例外として8時間3交代制のような勤務形態を採用する場合は、暦日ではなく連続した24時間の休みを付与することが可能です。

なお、2019年4月1日の働き方改革関連法の施行に伴う労働時間等設定改善法の改定によって“勤務間インターバル制度”の導入が事業者の努力義務となりました。

勤務間インターバル制度は、就業時刻から翌日の始業時刻の間に一定時間以上の休憩時間を確保して、従業員の健康を守ることが目的です。

出典:厚生労働省『第4章 労働時間、休憩及び休日』/厚生労働省 徳島労働局『休憩・休日』/働き方・休み方改善ポータルサイト『勤務間インターバル制度導入・運用マニュアル



24時間連続勤務でない場合のシフトパターン

24時間体制の職種では、24時間連続勤務のほかに、交代制のシフトを採用しているケースもあります。交代制のシフトパターンには、主に3交代制と2交代制の2種類あります。

そのほかのシフトパターンについては、こちらの記事をご覧ください。

  交代制のシフトパターンを解説! 向いている職種やメリット・デメリット 交代制勤務とは、勤務時間を一定の時間帯ごとに区切り、ローテーションして働く勤務体制のことを指します。一般的に工場や医療機関などで採用されており、多くのシフトパターンが存在します。 本記事では、交代制のシフトパターンやメリット・デメリット、シフト管理の重要性について解説します。 シフオプ


3交代制

3交代制は、24時間を日勤・準夜勤・夜勤の3つの時間帯に分けて、24時間体制の業務に対応するシフトパターンのことです。

実働時間を8時間として3つのシフトグループに分けて勤務するため、一日の拘束時間が比較的短く、残業が発生しにくいことが特徴です。

病院や介護施設、24時間体制の工場などで導入されています。


2交代制

2交代制は、24時間を日勤・夜勤の2つの時間帯に分けて、24時間体制で業務に対応するシフトパターンのことです。

3交代制と比べて一日の勤務時間が長くなりますが、休日の数は多くなりやすいことが特徴です。また、日勤と夜勤の労働時間を均等に分割する必要はないため、必要に応じて日勤と夜勤の勤務時間を変えているケースもあります。

2交代制のシフトは、主に病院や介護施設、警備会社などで導入されています。



まとめ

この記事では、24時間勤務について以下の内容を解説しました。


  • 24時間勤務とは
  • 24時間勤務の注意点
  • 24時間勤務でない場合のシフトパターン


24時間勤務とは、24時間働く勤務形態のことです。24時間勤務自体は違法ではありませんが、勤務形態や休憩時間によっては、違法となる可能性があるため注意が必要です。

また、24時間体制の職場では、24時間連続勤務のほかに、3交代制や2交代制のシフトパターンが採用されることもあります。

交代制の勤務形態は、人員配置が複雑になるほか、労働時間や休日数のカウントが難しくなりやすいことが課題です。法令を遵守したシフトを作成するには、システムの活用が有効です。

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また、24時間勤務のシフト作成における注意点については、こちらの記事でも解説しています。

  24時間勤務のシフト作成の注意点。日別シフトや管理システムの活用が効果的 コンビニエンスストアや飲食店に多い24時間営業。いつでも利用できる利便性と安心感が魅力ですが、人手不足や人員配置などの問題に悩まされる経営者も少なくありません。24時間体制のシフト作成で気をつけるポイントや、シフト管理を効率化できるツールについて紹介します。 シフオプ


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