アルバイトの教育方法とは。定着率・能力を向上するためのポイントとNG例
※2024年9月27日更新
人手不足の現代において、アルバイトは店舗の安定した経営や売上の維持に欠かせない存在です。しかし、アルバイトを採用してもすぐに辞めてしまったり、仕事をなかなか覚えてもらえなかったりするケースがあります。
アルバイトの定着率や能力の向上を図るには、採用後の人材教育がカギとなります。
店舗の人事・労務担当者のなかには、「アルバイトの定着率を向上させるにはどのように教育すればよいのか」「どうやったらアルバイトが仕事を覚えるのか」などとお悩みの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、アルバイトの人材教育について、重要性やポイント、NG例を解説します。
アルバイト教育の重要性
アルバイト教育は、アルバイト定着率やサービス品質の向上につながると考えられます。
①アルバイト定着率の向上
アルバイト教育を行うことで、アルバイト定着率の向上が期待できます。
教育を通じて仕事の意義やアルバイトへの期待を伝えることで、アルバイト自身に仕事への責任感、やりがいが生まれやすくなり、アルバイト定着率の向上につながります。
また、アルバイト定着率が向上すると、採用や教育にかかる人的・時間的コストの損失を低減することにもつながります。
②サービス品質の向上
アルバイト教育は、店舗におけるサービス品質の向上を図るうえで重要な要素です。業務内容やプロセス、接客方法などの教育を実施することで、各アルバイトの能力向上を図れます。
店舗全体に教育が行き届くことでサービス品質が向上し、店舗の業績アップも期待できます。
アルバイト教育の5つのステップとポイント
アルバイト教育を行う際は、大きく分けて5つのステップで進めていきます。ここからは、アルバイト教育で押さえておきたい5つのステップとポイントを解説します。
①経営理念・MVVを共有する
アルバイト教育では、実務教育を始める前にMVV(※)を共有することがポイントです。新人アルバイトがほかのアルバイトや社員と一丸となって働くためには、同じ目標やビジョンを持つ必要があります。
▼共有するMVVの例
- 経営者の思い
- 店舗のあり方
- 将来の目標
- 働くうえでの姿勢
店舗で働く全員が共通認識を持つことで、連帯感や責任感が生まれやすくなります。
※MVVとは、ミッション・ビジョン・バリューの頭文字をとったもので企業の使命や目標、行動指針などを言語化したもの
②業務をマニュアル化する
基本的な業務内容・プロセスをマニュアル化して、研修・トレーニングを実施することがポイントです。業務を十分に理解していないまま実務に就かせると、アルバイトがプレッシャーやストレスを感じやすくなります。
▼マニュアル化する業務や規則の例
業務・規則 |
具体例 |
接客方法 |
接客プロセス、言葉遣い など |
レジ業務 |
精算方法、金銭受け渡しのフロー など |
身だしなみ |
服装、髪型 など |
掃除業務 |
掃除箇所、掃除の時間帯、清掃用具の管理方法 など |
マニュアル化によって業務や規則が明確になると、分からないことに対するプレッシャーやストレスが軽減されます。また、業務の標準化を図れるため、店舗のサービス品質の向上も期待できます。
③固定の教育担当をつける
アルバイトに固定の教育担当をつけると、信頼関係の構築や円滑なコミュニケーションが期待できます。
業務に関する相談を気軽に行えるようになることで、アルバイトが抱える悩みや問題を解決しやすくなります。また、アルバイトの性格や能力に合わせた指導も行いやすくなると考えられます。
④他のメンバーとコミュニケーションする機会を用意する
先輩アルバイトや社員とコミュニケーションする機会をつくることによって、職場の信頼関係を築きやすくなります。これにより、働きやすい環境の構築やアルバイトの定着を促すことが可能です。
また、スタッフ同士で細かに情報を共有しておくことで、業務においても柔軟な対応が行えるようになり、サービス品質の向上につながります。
▼コミュニケーションする機会の例
- スタッフ間での意見交換の場を設ける
- サンクスカードを導入する など
⑤継続的なフォローを実施する
アルバイトが実務に就いた以降も、先輩アルバイトや社員によるフォローが欠かせません。現場でのサポートや業務指示に加えて、アルバイトの成長意欲を促進するためのフォローを実施することがポイントです。
▼実施するフォローの例
- 定期的な面談
- 現状の評価と目標設定
- フォローアップ研修
定期的な面談で悩み・不安・分からないことなどをヒアリングすることで、アルバイトが一人で問題を抱え込むのを防げます。そのうえで、問題解決に向けた適切なアドバイス、業務上の指導を行うことにより、前向きな思考・行動を促すことが可能です。
また、適切な評価や目標設定、フォローアップ研修の実施によって、業務能力・成長意欲の向上につながります。
アルバイト教育のNG例
アルバイト教育の際、誤った指導をするとかえってモチベーションが低下してしまう可能性があります。ここからは、アルバイト教育のNG例について紹介します。
業務の目的・役割を説明しない
アルバイト教育では、業務の目的や役割を伝えることが重要です。これらを説明していない状態では、アルバイトが仕事に対するモチベーションを高めづらくなります。また、指示や指摘の意図が理解できずに先輩アルバイトや社員に対して不信感を持ってしまう可能性もあります。
目的や役割を伝えたうえで教育すると、アルバイトの業務に対する理解が深まるだけでなく、役割が明確になることで自発的な行動を促せます。
場当たり的な教育をする
現場業務に移行するまでの段階では、各アルバイトが業務を習得しやすい教育方法を用いることも重要です。
アルバイトによっては「とりあえず現場でやってみよう」「目で見て覚えて」などの場当たり的な教育方法が向かないケースもあります。以下のように、アルバイトの性格や習得スピードに応じて教育方法を検討することが重要です。
▼現場業務に移行するまでの教育例
- 業務トレーニングを十分に行ったのちに現場業務に就かせる
- 基本をレクチャーしたのちに現場業務を通じて習得させる
アルバイトごとの特性に合った教育方法を取り入れることで、個々の自己研鑽やスキル習得のスピードの向上を促進できます。
教える人によって内容がブレる
複数人で教育を行う場合、教える人の性格・知識・経験などによって教育内容にブレが生じて、アルバイトの混乱や不安につながる可能性があります。また、固定の教育担当をつけている場合であっても、仕事の忙しさやシフトなどの関係で担当者以外が業務を教えるケースは考えられます。
教育時のポイントや教育内容などを業務マニュアル上で標準化して共有しておくと、教える人の違いによるブレを抑えることが可能です。
仕事を任せない
仕事のやり方だけを教えたとしても、実際にやってみなければ身につきません。仮に教育担当者自身でやった方が早く終わるとしても、アルバイトに仕事を任せて経験を積ませることが重要です。
また、アルバイトに仕事を任せたあとはフィードバックを行うことで、成長を促すと同時にアルバイトのモチベーションアップが図れます。この際、改善点を指摘するだけでなく、うまくできたところはきちんと褒めることがポイントです。
教育期間を十分に取らない
教育期間を十分に取っていないと、アルバイトのミスやトラブルを引き起こす原因となり、モチベーションの低下にもつながります。
しかし、十分な教育を行うには先輩スタッフや社員が教育に関われる時間を確保する必要があります。
新人の教育が可能なスタッフ・社員とアルバイトのシフトが重なるように人員配置を行うほか、人数のバランスにも注意することで余裕を持って教育を行いやすくなります。
まとめ
この記事では、アルバイト教育について以下の内容を解説しました。
- アルバイト教育の重要性
- アルバイト教育の5つのステップとポイント
- アルバイト教育のNG例
アルバイト教育を行うことで、アルバイトの定着率向上やサービス品質の向上が期待できます。アルバイト教育を行う際は、理念・ビジョンの共有や業務のマニュアル化のほか、既存スタッフによるコミュニケーションやフォローも重要となります。
しかし、アルバイト教育を十分に行うには先輩スタッフや社員が教育に関われる時間の確保が欠かせません。
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