
アルバイトのモチベーションを向上させる6つのマネジメント
※2023年10月20日更新
さまざまな業界で人手不足が深刻化している今、アルバイトは企業にとって貴重な戦力となります。
企業が安定して事業を運営していくには、アルバイトが意欲的に働ける職場をつくり、生産性の向上や定着化を図ることが重要です。
しかし、「入社したアルバイトがすぐに辞めてしまう」「シフトを積極的に入れてもらえない」などの悩みを抱える職場では、アルバイトのモチベーションが低下している可能性があります。
この記事では、人事・労務担当者に向けて、アルバイトのモチベーションを向上させるためのマネジメントのポイントや方法について解説します。
目次[非表示]
アルバイトのモチベーションが上がらない原因とは
アルバイトのモチベーションが上がらない原因には、仕事のしづらさや職場の人間関係、シフトに関して悩み・不満を抱えていることが考えられます。
▼モチベーションが上がらない原因
- 作業の指示や教育をしてもらえない
- 仕事にやりがいを感じない
- 職場の人間関係がよくない
- 処遇が一律または適正な評価をしてもらえない
- 休み希望が取りにくい
- シフトの組み方が不公平になっている など
新たに入社したアルバイトに対するサポート体制が整っていなかったり、職場の人間関係に問題があり雰囲気が殺伐としていたりする場合には、「居心地が悪い」「職場になじめない」と感じてしまい、モチベーションが失われることがあります。
また、仕事に対して適正かつ公正な評価を受けられない職場は、アルバイトがやりがいを見い出せなくなり、モチベーションの低下につながる可能性があります。
そのほか、休み希望やシフトの組み方は、働きやすさに直結する重要な要素の一つです。不公平で休みを取りにくいシフトは、アルバイトの不満を招いて離職につながることも考えられます。
アルバイトのモチベーションを上げるマネジメントの2つのポイント
アルバイトのモチベーションを高めるには、内発的動機づけ・外発的動機づけの両方でマネジメントを行うことが有効です。また、どちらか一方ではなく内発的・外発的の両方から働きかけます。
なお、アルバイトの管理についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
内発的動機づけとは
内発的動機づけは、アルバイト自身の内側から湧き出る意欲や興味、好奇心などが原動力となって仕事へのモチベーションにつながることです。
▼内発的動機づけの具体例
- 自分が興味のある仕事ができて楽しいと感じる
- さまざまな業務にチャレンジして自分の成長につなげたいと思う
- できなかったことができるようになることに喜びを感じる
▼内発的動機づけのメリット・デメリット
メリット |
デメリット |
|
|
外発的動機づけとは
一方の外発的動機づけは、待遇や評価、罰則などの外的・人為的な要素がモチベーションにつながることです。
▼外発的動機づけの具体例
- 業務のスキルが上達すれば時給がアップするから努力する
- 昇進するために、ほかの業務にチャレンジしようと思う
- たくさんシフトに入ると褒められるため、勤務日数を増やす
それぞれのマネジメント方法には、以下のメリット・デメリットがあります。
▼外発的動機づけのメリット・デメリット
メリット |
デメリット |
|
|
アルバイトのモチベーションを向上させるマネジメントの6つの方法
ここからは、内発的・外発的な要素を取り入れて、アルバイトのモチベーションを向上させる具体的な方法について解説します。
①人材教育・フォロー体制を整える
1つ目は、人材教育・フォロー体制を整えることです。
入社して間もないアルバイトは、「仕事を早く覚えられるようになるか」「ミスをして周りに迷惑をかけないか」といったさまざまな不安を抱えています。
仕事に対する不安をなくして、早く仕事を覚えようとするモチベーションを創出するには、新たなアルバイトが安心して業務に就けるように受け入れ体制を整えることが重要です。
▼人材教育・フォロー体制の例
- 入社の初日は業務に就かせることなく、職場のレクリエーションを実施する
- 業務の流れや基本的な作業をマニュアル化して、実務の前に研修を行う
- 実務に就く際は、上司や先輩スタッフによるOJTを実施する
②目標管理制度を導入する
2つ目は、目標管理制度を導入することです。
目標管理制度とは、アルバイト本人が仕事に対する目標を設定して、その達成状況や実績などに応じて評価を行う制度です。
自らの課題に応じて目標を設定してもらうことで、責任感ややりがいが生まれやすくなり、モチベーションの向上にもつながると期待できます。
アルバイトとの対話を通して「どのような目標を設定するか」「目標達成のために何をする必要があるか」などを部分的にサポートしながら、目標達成ができるように見守ることがポイントです。
▼アルバイトの目標管理をサポートする際のポイント
- 職場や働くうえでの課題についてアルバイトへヒアリングを行う
- 高すぎず、低すぎない現実的な目標を設定する
- 定期的に目標達成の進捗を確認して、改善点やアドバイスなどのフィードバックなどを行う
③コミュニケーションの機会を設ける
3つ目は、コミュニケーションの機会を設けることです。
アルバイトのモチベーションを向上させるには、良好な人間関係を構築して職場の雰囲気をよくすることが重要です。
職場のコミュニケーションを活性化させることで、悩みを相談したり、業務に関する声掛けやサポートをし合ったりできる風通しのよい環境へとつながります。その結果、アルバイトが「居心地がよい」「働くことが楽しい」などと感じられるようになり、仕事へのやりがいにも結びつくと考えられます。
▼職場のコミュニケーションを活性化させる方法
- 管理者や上司による定期的な面談を実施する
- アルバイト同士の意見交換やミーティングの機会を設ける
- 新人アルバイトの歓迎会やランチ会などのイベントを実施する
④公平かつ明確な評価制度を設ける
4つ目は、公平かつ明確な評価制度を設けることです。
人事評価の基準があいまいだったり、成果や能力に対して公平な評価を受けられなかったりする職場は、モチベーションの低下を招くおそれがあります。
アルバイトの仕事内容や対応できる業務の範囲、スキル、役割などに応じた公平かつ明確な人事評価制度を設けることで、待遇面での不満・不公平感を解消できます。
評価制度を見直すときのポイントには、以下が挙げられます。
▼評価制度を見直すときのポイント
- 評価に応じて時給のアップや手当の支給を行い、貢献度に見合った待遇を付与する
- 仕事内容や立場などの貢献度を評価に反映する
- 目に見える成果や能力だけでなく、業務への取り組み方、ほかの従業員へのよい影響などの定性的な要素も考慮する
⑤休み希望のルールを作成する
5つ目は、休み希望のルールを作成することです。
希望に合った働き方ができることは、仕事へのやる気やプライベートの充実につながり、モチベーションの向上にも結びつきます。
休み希望のルールを作成することで、アルバイトの休み希望を公平に反映できるようになり、シフトに関する不満や不公平感が解消されます。その結果、アルバイトが働きやすい職場環境となることが期待できます。
ルールを作成する際は、特定のアルバイトの休み希望だけが反映されないようにするほか、長期休暇や試験期間などの事情も考慮することがポイントです。
▼休み希望のルールに定める項目例
- 土日祝の休み希望を提出できる日数は3日までにする
- 3日以上の連休を取得する場合は、可能な限り2ヶ月前に相談する
- 月の休み希望は5日までにする
なお、従業員がシフト制の職場に求めることについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
⑥公平な人員配置を行う
6つ目は、公平な人員配置を行うことです。
アルバイトによって希望する働き方や向いている業務は異なります。一人ひとりの職務適性を踏まえつつ、業務量や負担に応じた公平な人員配置を行うことで、成長意欲とやりがいが生まれて、モチベーションの向上につながると期待できます。
入社の際や定期的な面談でアルバイトが希望する業務や働き方などをヒアリングしたうえで、シフトの人員配置を調整することがポイントです。
まとめ
この記事では、アルバイトのモチベーションに関するマネジメントについて、以下の内容を解説しました。
- アルバイトのモチベーションが上がらない原因
- モチベーションを上げるマネジメントのポイント
- 人事・労務担当者が行うモチベーション向上のためのマネジメント方法
仕事や人間関係、シフトなどに悩み・不満を抱えているアルバイトは、仕事が嫌になったり、やりがいを感じなくなったりしてモチベーションの低下につながりやすくなります。
職場の生産性を向上させて定着化を図るためには、アルバイトが意欲的に働ける職場環境や評価制度を整えるためのマネジメントが欠かせません。
特に休み希望や人員配置などのシフトに関する内容は、アルバイトの働きやすさに直結する要素の一つです。本人が希望する働き方ができたり、成長や評価を感じられたりする環境は、モチベーションの向上にも寄与します。
アルバイトが働きやすいシフトを作成するには、シフト管理システムの『シフオプ』が有効です。シフオプでは、一定の条件に沿ったモデルシフトを基に休み希望を反映できるほか、一人ひとりの適性や人間関係を踏まえて人員配置を調整できます。
詳しい機能については、こちらをご覧ください。