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そのシフトカット、法令リスクは大丈夫? 今こそ知っておきたい労働基準法のポイント

※2023年5月30日更新

サービス業では、客足に合わせて従業員を早上がりさせたり、勤務日数を減らしたりといったシフトカットを行っているケースも少なくありません。

会社の都合で従業員の勤務日数や時間を短くする場合、「違法になるのか」「どのようなことに気をつけたらよいか」と不安に感じている担当者の方もいるのではないでしょうか。

シフトカットの違法性については、明確なルールがなく、それぞれの事案によって判断されます。従業員に不利益が生じないような適切なシフト管理が求められます。

本記事では、シフトカットに該当する行為や注意が必要なケース、労働基準法から見たポイントなどを解説します。


目次[非表示]

  1. シフトカットの該当例
  2. シフトカットで注意が必要なケース
  3. シフトカットに関する労働基準法のポイント
  4. 労働契約上のシフトを遵守できるシフト管理が大切
  5. まとめ


シフトカットの該当例

シフトカットは、会社の都合で従業員の勤務日数や時間を短くする行為を指し、主に以下のような例が挙げられます。


▼シフトカットの例

  • 労働契約で取り決めた勤務日数よりも少ないシフトを組む
  • シフト上は出勤になっている日を休みに変更する
  • 勤務開始の直前になってシフトから外す
  • シフト上の予定時間よりも早上がりさせる など


例えば、週4日勤務の契約で雇用したにもかかわらず、繁忙期・閑散期、当日の客入りの状況など、会社の都合で週1日のシフトを組むことなどがシフトカットに該当します。



シフトカットで注意が必要なケース

「シフトを作成した時点で出勤日を減らす行為はシフトカットにあたらない」と認識している方もいるのではないでしょうか。

シフト調整が必要になるケースもありますが、シフトカットにならないような対応が必要です。ここでは、注意が必要なシフトカットのケースを3つ紹介します。


①事前に通知した勤務日数を下回っている

労働条件通知書や雇用契約書に明示した"週○日勤務”という勤務日数を大きく下回っている場合、会社都合によるシフトカットに該当します。

また、会社の都合に合わせてシフトを調整した結果、事前に通知していた勤務時間よりも大幅に少ない時間でしか勤務させない場合も、シフトカットと判断される可能性があります。


②直前でシフトを削る

あらかじめ決めていたシフトを勤務直前で削った場合、会社都合でのシフトカットとみなされます。

例えば、「暇だから早めに上がっていいよ」「予約がキャンセルになったから今日は休みにするね」など、会社側の理由で勤務時間を短縮した場合がシフトカットに該当します。


③天候・災害に備えて安全のため待機を指示する

天候・災害によって自宅での待機を指示したり、休業したりする行為がシフトカットに該当するかどうかは、不可抗力によるものかどうかで判断されます。

会社や勤務場所が直接の被害を受けて、やむを得ず休業をする場合には、会社都合のシフトカットに該当しません。しかし、不可抗力によるものでなければシフトカットに該当する場合があります。

例えば、「大雨で客は来ないだろうから出勤を止めてもらう」「台風が近づいているから従業員を早めに帰宅させる」などのケースが挙げられます。

従業員の安全を考慮しての対応だったとしても、会社都合によるシフトカットとみなされる可能性があるため注意が必要です。



シフトカットに関する労働基準法のポイント

シフトカットを実施する際は、労働基準法で定められたルールを守る必要があります。ここからは、シフトカットに関する法令上のポイントについて解説します。


労働条件通知書に基づいた説明が必要

労働条件通知書とは、労働条件が記載された書類のことです。従業員と労働契約を結ぶ際に、一人ひとりに交付することが義務づけられています。


▼労働基準法 第15条

第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

引用元:e-Gov法令検索『労働基準法


シフトを組む際は、労働条件通知書に記載している日数・時間に沿って調整する必要があります。ただし、条件よりもシフトを減らさなければならない場合には、その理由を従業員に説明して合意してもらうことが重要です。

出典:e-Gov法令検索『労働基準法


シフトカットは休業手当の対象になる

労働基準法』第26条では、会社都合によって従業員を休業させた場合には、平均賃金の60%以上を休業手当として支払うことが定められています。正社員だけでなく、パート・アルバイトで働く従業員も休業手当の対象です。


▼労働基準法第26条

第二十六条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

引用元:e-Gov法令検索『労働基準法


休業手当を正しく支払わない場合は、法律違反となり、30万円以下の罰金が科せられるおそれがあります。

出典:厚生労働省 『労働条件・職場環境に関するルール』/e-Gov法令検索『労働基準法



労働契約上のシフトを遵守できるシフト管理が大切

法令違反のリスクがあるシフトカットを防ぐためには、アルバイト・パートと交わした労働契約のシフトを遵守することが重要です。


シフト管理システムの『シフオプ』では、時間や曜日が固定のシフトパターンを基本シフトとして登録できます。一人ひとりと取り決めたシフト条件を登録することで大きく下回るといった問題の発生を抑制します。また、基本シフトだけでなく、希望シフトに応じて作成することも可能です。


さらに、一人ひとりの就業時間を設定すれば、シフト作成の段階でコンプライアンスリスクのあるシフトにアラートが上がります。「扶養範囲内の労働時間を超えていた」「時間外労働が増えていた」などのリスク回避に役立ちます。


急な休みで想定外の人手不足が発生したときは、従業員全員にヘルプを募ることができる機能も備わっています。店舗間でシフトを共有することができるため、グループ全体の人員稼働率を高められます。



まとめ

この記事では、シフトカットについて以下の内容を解説しました。


  • シフトカットの該当例
  • 注意が必要なケース
  • シフトカットに関する労働基準法のポイント
  • 労働契約上のシフトを遵守できるシフト管理が大切


「今日は暇だから早く上がっていいよ」「予約がなくなったから休んでね」といった対応は、シフトカットに該当する可能性があります。会社都合のシフトカットは、労働条件通知書との内容に差異があれば休業手当の対象になります。

シフトカットを行わずに済むように、労働契約に応じたシフトを遵守できるようなシステムの導入が重要です。

シフト管理システムの『シフオプ』なら、店舗運営に必要な指標を可視化できるため、適切なシフト管理が可能です。また、シフオプは欠員の可視化もできるため、人手不足の時間帯・曜日をリアルタイムに把握できます。人が足りない部分に絞って求人募集を行えるため、効率的な採用活動にもつながります。

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