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“シフト制”という働き方は慢性的な人手不足の解消に貢献できるのか?

日本では15歳から64歳にあたる年齢層の人口を“生産年齢人口”とし、人口構造の指標としています。
少子化と生産年齢人口の減少が社会全体の課題となって久しく、多くの企業で慢性的な人手不足とそれによる長時間労働、倒産などの影響が広がっています。


目次[非表示]

  1. 人手不足の背景
  2. 具体的な人手不足対策とは
  3. シフト内容を見直そう
  4. 複雑になるシフト管理を適切に行うには
  5. まとめ


人手不足の背景

少子化問題は国をあげて対策する課題の一つです。
長年にわたる少子化の影響で、生産年齢人口は1995年の8,716万人をピークに減少を続けており、2019年6月には7,517万人まで落ち込んでいます。人手不足を端的に示す有効求人倍率のデータも、2009年以降は右肩上がり。

しかし、生産年齢人口の増加は、ただちに解消できる問題ではありません。目下の労働力を確保することは、個々の企業努力に頼るほかない現状といってもよいでしょう。

具体的な人手不足対策とは

では、労働力確保において、どのような対策が有効になるのでしょうか。
人手不足解消のため、多くの企業が募集する人材の幅を広げ、フルタイムの正社員だけではなく短時間や週2~3日で働くアルバイト・パートタイムの雇用にも取り組んでいます。

また、人手不足感の強い企業の多くが、女性や外国人、シニア層を積極的に受け入れており、それに伴って短時間勤務やシフト制勤務などを採用して職場環境を整えています。
新たな雇用以外にも、既存従業員の離職防止や生産性向上も着目したい課題です。
以下では、データをもとに具体的な対策案について解説します。

女性のパート労働者を積極採用

内閣府男女共同参画局白書「女性の年齢階級別就業率の変化及び推移」によると、2016年時点で女性の就業率は25歳~29歳をピークに減少が見られ、その後40歳~49歳にかけて緩やかに再上昇しています。結婚や出産などのライフイベントをきっかけに労働市場を離れ、子育てが落ち着いた頃に復職しているという状況が推察できます。

(出典:内閣府男女共同参画局「女性の年齢階級別就業率の変化及び推移」)


この数年、正規・非正規ともに、女性の雇用者数は増加しており、厚生労働省の調査「平成30年版働く女性の実情」によると、非農林業の女性の短時間雇用者は2017年から2018年にかけて108万人(9.6%)もの増加となっています。

産業別では、卸売業・小売業が最も多く、パートタイム労働者総数に占める割合は実に22.7%、次に多いのが医療・福祉業で20.9%です。
これらの業界は、女性の短時間労働者を積極的に採用することで成り立っている様子が伺えます。

女性が非正規の雇用形態を選択した理由の28.1%は、「自分の都合のよい時間に働きたいから」であることから、子育てが落ち着いた頃の女性に対して、柔軟なシフト制度を導入して迎え入れる体制を作ることは、有効な手段のひとつだと考えられます。

(出典:厚生労働省「平成30年版働く女性の実情」、内閣府男女共同参画局「非正規の職員・従業員が現職の雇用形態についた主な理由(男女別)」)

外国人材の雇用

厚生労働省の別のデータ『「外国人雇用状況」の届け出状況まとめ』(2018)では、製造業における外国人材の積極的な雇用と労働者数の伸びが目立ちます。

国籍別では、中国人が最も多く、389,117 人。続いてベトナム人が316,840 人、フィリピン人が164,006 人です。

また、国際競技大会や円安によりインバウンド旅客が増加し、慢性的な人手不足に悩む宿泊業や飲食サービス業界でも外国人材を積極的に採用する企業が増えています。

法務省発表のプレスリリースによると、2019年6月末時点での在留外国人数は、282万9,416人で、過去最多。生産年齢人口が減少している一方、日本に住む外国人労働者は増加の一途です。外国人労働者が増えている背景には、外国人留学生の増加も影響しています。

人手不足問題を打破するためには、外国人の採用も検討したい対策のひとつとなっていますが、勤務時間や日数に上限がある外国人留学生をアルバイト・パートとして採用するためには、シフト管理体制が不可欠です。

(出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ」、法務省「令和元年6月末現在における在留外国人数について(速報値)」)

高齢者の活躍

帝国データバンクの2019年9月の調査「人手不足の解消に向けた企業の意識調査」によると、今後、企業が積極的に活用したい人材のトップに上がったのがシニア世代です。
働く意欲があり、健康的に問題ないようであれば、長期雇用を検討している企業も少なくありません。

総務省の統計で、2018年の高齢就業者数は862万人となっており、企業が積極的に高齢者の雇用をすすめていることがわかります。
また、自分の都合に合う働き方を求めて非正規雇用を選択する高齢者の数は28.7%にのぼることからも、人手不足の解消には高齢者の活躍に期待が寄せられます。

(出典:内閣官房日本経済再生総合事務局「① 高齢者雇用促進及び中途採用拡大・新卒一括採用見直し② 疾病・介護予防に関する資料集 高齢者が希望する就労形態」)

​​​​​​​また、厚生労働省の「令和元年「高年齢者の雇用状況」集計結果」では、66歳以上でも働ける企業の割合が、大企業・中小企業ともに増加という結果に。経験や知識に加え働く意欲が豊富なシニア層の人材は、企業にとっては即戦力であるほか、条件を満たすことで助成金の受給も可能になります。

こうした動きは若い世代にとっても将来の働き方がイメージしやすいというメリットがあり、仕事へのモチベーションアップの効果も期待できるでしょう。

(出典:帝国データバンク「人手不足の解消に向けた企業の意識調査」、総務省「統計からみた我が国の高齢者」、厚生労働省:「令和元年「高年齢者の雇用状況」集計結果」)

離職防止

新規の雇い入れが難しい状況では、離職者を出さないことも重要な人手不足対策といえます。離職防止のためには、離職理由となる要素をしっかりと把握し、改善していく必要があります。

たとえば、職場の人間関係や長時間労働、低賃金などは従業員のモチベーション低下や離職を招く大きな要因です。

家庭の事情や本人の体調不良、疲労感などで急な欠勤をしてしまうと、申し訳なさから職場にいづらくなる場合もあります。また、シフトが決定するのが遅く従業員がプライベートの予定を組めないような状況も離職理由になります。思うように休みがとれないことや、人手不足による過重な作業量、長時間労働、低賃金などは従業員の心身からゆとりを奪います。

職場の人間関係を良好に維持するためにも、マネージャーや店長など職場のリーダーは従業員としっかりコミュニケーションをとりましょう。シフトの提出サイクルを短くし従業員の予定に配慮することも有効です。人手不足は企業、従業員双方にとって負担になるもののため、できるだけお互いが歩み寄り、適切な労働環境を作り上げることが重要です。

生産性向上

人手不足は、企業の生産性を低下させます。たとえば、今まで二人で行ってきた業務を一人で行うとなると、今まで通りの成果をあげることが難しいのは容易に想像できます。従業員への負担も増えるため、離職につながる可能性もあります。

新しい人材の確保や、既存従業員の離職防止のために賃金を上げるという対策にも効果は期待できますが、原資となる利益の確保は欠かせません。人材の募集をすすめるとともに、労働者の生産性を向上させる工夫や、管理コストの見直しを図りましょう。

まず、業務全般をあらためて見直し効率化を積極的にすすめること、機械・ソフトの交換や新規導入、サービス内容を見直す、作業手順を減らすなど、細かな工夫を積み重ねていくことが業務の無駄を省いて生産性を向上させ、ひいては利益の増大につながります。

同時に、人員の適正配置についても再考が必要です。繁忙期や閑散期といったときでも、利益を最大化できるように柔軟なシフト調整で人員数を最適化することが大切です。

シフト内容を見直そう

リーダーや店長の経験による感覚に頼り、「いつもこの時間は忙しいから、人を増やしておこう」という判断では、本当に適切な人員配置が行えているかわかりません。業務を効率化するうえで大切なのは数値化です。客数や売上、作業量の時間的な推移などのデータを細かく把握し、最も忙しいコアの時間帯にのみ人員を厚くできれば人件費を抑えた最適な人員配置を行えるでしょう。業務内容と人員配置をあわせて見直すことで、人手不足の解消につながるケースもあります。

複雑になるシフト管理を適切に行うには

従業員の労務管理のために必要な従業員のシフト表。マネージャーやリーダーなどのシフト管理者が表計算ソフトで手作りしたものを利用している職場もあります。

売上や人件費の予算はもちろん、従業員の希望やコンプライアンスを考慮しながらのシフト作成は片手間では行えないため、適正な人員配置を検討するツールとしては使いにくいかもしれません。
具体的なデータを参照した細かく丁寧なシフト管理ができれば、人件費も抑えやすくなります。

シフト編成の自動化と合理化で人手不足解消へ

忙しさを感覚的にとらえたシフト編成のまま、「人が足りなければ、自分が埋めればいい」とばかりに、マネージャーや店長自身が動いてばかりでは、いつまでも人手不足が解消しません。感覚に頼るばかりでなく、具体的なデータを参照できる、合理的なツールがあれば、仮に経験が浅くてもシフトを作成することが可能になります。

慢性的な人手不足に悩む業界や企業こそ、シフト編成の自動化が合理的。マネージャーや店長の管理職業務に充てる時間を増やすことができ、従業員や顧客との対応にも注力できます。

合理的なシフト編成に“シフオプ”の導入を

従業員全員で共有できるクラウド型シフト作成ツール“シフオプ”なら、毎月手作りで行っていたシフト表作成がより簡単になります。

適正な人員配置がしやすい欠員の可視化や、出勤を全従業員に一括で募集できるヘルプ機能、最適な配置を行う目安になるモデルシフト機能など、細かい機能が備えられています。

人手不足の企業で起こりがちな、長時間労働や連続勤務、休日不足なども自動で検知されるため、労務コンプライアンスの強化も可能。働きすぎを未然に防ぐことで、従業員の離職原因の一つを排除し従業員満足度を高めます。

まとめ

止まらない少子化と生産年齢人口の減少ですが、解決には10年単位の時間がかかります。
しかし、企業の人手不足は待ったなし。そのような状況でも、労務管理の合理化を図ることで、既存従業員への負担を軽減し、新しい従業員の雇用のアドバンテージになります。
従業員の希望に沿えるさまざまなシフトパターンや、業務内容に応じた適切な人員配置が可能になれば、シフト制という働き方は人手不足感を緩和し、利益の増大にも貢献することができるでしょう。

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