
マネジメントスキルの重要性と従業員のシフト管理を行うITサービス
企業経営だけでなく、医療やスポーツ、学問、家事育児や人間関係に至るまで幅広く使われるようになった“マネジメント”という言葉。もともとは経営管理論のひとつとして、オーストリアの経営学者ピーター・F・ドラッカー氏が生み出した概念といわれています。
マネジメントにおいて重要なのは、組織と人の力を引き出すことです。現代の人事・労務管理に欠かせないマネジメントについて、あらためて整理しておきましょう。
マネジメントの重要性と求められるスキル
マネジメント(management)は、日本語に直訳すると“管理”という意味になりますが、企業経営や組織運営におけるマネジメントは単純な管理作業にとどまらず、事業の目標達成に向けて組織や仕組みを構築したり、人事や運営を管理したりと多岐に渡ります。
そして、管理職として一定の権限を与えられ、目標達成に責任を持ち、チームやグループのマネジメントを遂行することがマネージャーの役割です。
マネージャーの役割について、いくつか具体例をあげてみましょう。
経営目標の理解とチームの目標設計
組織が定めた目標を理解し、目標達成のためにさまざまな計画を立案・実行するほか、チームメンバーや部下の個別目標の策定を行います。定量化した目標にチーム一丸となって取り組み、達成するために必要な業務を遂行することが求められます。
進捗管理と業務計画の遂行
目標達成に要するスケジュールの策定と、進捗状況の管理を行います。
具体的には、月次・週次・日次・時間ごとの短期的な計画と、年次や半期ごとなど中長期的な計画に基づいて、進捗率や達成率を管理し、未達部分については原因を追究して軌道修正を行っていくことも必要です。
従業員のメンタルヘルス管理
従業員のモチベーションにかかわるメンタルヘルス。メンタルヘルスケアは、業務の進捗や人材育成にも影響するため、マネージャーの重要な役割です。
・仕事そのものが負担になる
・人間関係が悪くなっている
・プライベートで問題を抱えている
こうしたストレスが業務に悪影響を及ぼさないよう、マネージャーは従業員のよき相談相手であり、上司であることが求められます。
チーム・マネジメントと人材育成
従業員それぞれの役割と能力を把握し、適材適所となるように人員配置をするチーム・マネジメントもマネージャーとしての役割のひとつです。チーム内のコミュニケーションが円滑になるよう情報の管理を行い、最適なチーム作りを目指します。また、主体性のある従業員には責任あるポジションを与え、組織を大きく、強くできる人材に育てていくことが大切になります。
シフト管理
人員配置に付随する業務としてはシフト管理も挙げられます。
シフト制を導入している企業の場合、シフト管理はマネージャー職以上が担当することが一般的ですが、シフト管理においてはマネージャーのスキルのみでは解消できない課題が多いという実状もあります。
リクルートジョブズが2018年に行った、アルバイト・パートの人員配置・シフトに纏わる問題調査によると、シフト作成時に「シフトが埋まらない日がある」と答えたシフト制の職場は全体の39.2%、シフトを確定したあと「急にシフトが空く」と答えたのは68.5%という結果に。シフト制の職場ならではの悩みが浮き彫りになりました。
この結果の対応として、64.4%が「自身、もしくは当日メンバーで頑張る」との回答を示しているとおり、多くの企業あるいはマネージャーがシフト管理における課題解消の一手を模索していると推測できます。
(出典:株式会社リクルートジョブズ「「アルバイト・パートの人員配置・シフトに纏わる問題調査」」)
シフト管理は人件費に直結する重要な業務になるため、次の項から掘り下げてみてみましょう。
適切なシフトマネジメントで得られる効果
シフト管理では、過不足のない人員配置をするほか、長時間労働や過度な連勤になっていないかといった労務コンプライアンスのチェックも欠かせません。
徹底した管理によって、あらゆる効果も期待できます。
人員配置の最適化による人件費の削減
売上に対する人件費の割合を“人件費率”といい、これは人員配置の過不足を判断するうえで重要な指標となります。
人件費率は産業や業種によって平均値が異なりますが、たとえば理容業においては約60%、宿泊業が約37%と、マンパワーが求められる業種ほど高くなることが中小企業庁の調査結果からわかります。
(参照:中小企業庁「中小企業の経営指標(概要)~中小企業経営調査結果~」)
人件費率はあらゆる条件下で変動するため一概にはいえませんが、自社の人件費率が同業平均と比べて大きく差があるときは、過不足が起きている可能性を視野に入れて調査してみるのもひとつの方法です。
人員配置の過多を改善することで、人件費の削減にもつながります。
労務コンプライアンスを遵守して従業員満足度を向上
シフトマネジメントにもうひとつ欠かせないのが、労務コンプライアンスへの遵守です。コンプライアンスに抵触してしまうケースとしては、人手不足の影響で残業や過度な連勤、長時間労働が起きてしまっていた、あるいは一週間や半月ごとのシフト作成により一か月の合計時間の超過を見落としていたなどが考えられます。
改善策としては、採用活動の見直しを通じて人材確保の強化をする、俯瞰的にシフト状況を確認できるITサービスを導入する、といった対策を検討してみましょう。
労務コンプライアンスの遵守によって、従業員にかかる負担の低減、ひいては従業員満足度の向上にも効果が期待できます。
ITサービスを活用したシフトマネジメントで効率UP
シフト管理は、店長やマネージャーなど特定の人が担当していることが多いため、作業工程や管理方法は属人化しているケースがほとんどです。
個人の端末でExcelを使ったローカル管理といった管理方法は、本人の不在時に対応ができない、業務引継ぎに時間を要する、というデメリットをもたらすため、ITサービスを活用して、関係者がWeb上でいつでも確認できるよう“見える化”を進め、業務効率を向上することも大切です。
また、適切な管理が求められるシフトマネジメントにおいては特に、ツールを活用することでよりシビアに、より正確に管理することができます。
まとめ
マネージャー職の本来の役割は目標達成のために組織や作業を構築し、人事や運営を管理することです。
しかし、その業務量の多さから、シフト管理や労務管理が後回しになる場合も少なくありません。そのような忙しいマネージャーの強い味方になるのが、シフト管理システムのシフオプ。
シフオプは、煩雑な事務的作業を効率化し合理的で素早い経営判断に役立つほか、作業の属人化を防ぐため、マネージャーのリソースに余裕を作ることも可能となります。
企業・組織の目標達成に重要なマネジメントは必要不可欠な業務ですが、時間をかけすぎると他の業務の負担になってしまいます。ツールの活用などで業務を効率化し、少ない労力で最大限の結果を出すことが重要です。