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飲食店が人手不足に直面している原因とは。検討3つの対応策

※2025年5月9日更新

少子高齢化によって労働力人口の減少が進むなか、さまざまな業界で人手不足が深刻化しています。

特に飲食店では、正社員だけでなくアルバイト・パートタイム労働者の人手不足が起きており、人材の確保や定着化に課題を抱えている店舗も少なくありません。

飲食店の経営者や人事・労務担当者のなかには、「スタッフが少なくシフトが埋まらない」「採用活動をしても応募が集まらない」などの悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。

この記事では、飲食店における人手不足の現状や原因、課題を解決するための対応策について解説します。


目次[非表示]

  1. 飲食店における人手不足の現状
  2. 飲食店の人手不足が深刻化している原因
  3. 飲食店の人手不足に歯止めをかけるための対応策
  4. まとめ


飲食店における人手不足の現状

厚生労働省の『令和6年版 労働経済の分析』で公表された産業別の雇用人員判断D.I.※1では、2021年12月以降に宿泊・飲食サービス業はマイナスに転じており、人手不足が進行している傾向が見られています。


▼【産業別】雇用人員判断D.I.の推移

【産業別】雇用人員判断D.I.の推移

画像引用元:厚生労働省『令和6年版 労働経済の分析


また、『労働経済動向調査(令和7年2月)の概況』によると、2025年2月時点のアルバイト・パートタイム労働者の労働者過不足判断D.I.※2は産業計で30ポイントとなっています。これに対して“宿泊業・飲食サービス業”は、52ポイントの不足超過と大幅に不足している状況です。


▼【産業別】アルバイト・パートタイム労働者の労働者過不足判断D.I.

【産業別】アルバイト・パートタイム労働者の労働者過不足判断D.I.

画像引用元:厚生労働省『労働経済動向調査(令和7年2月)の概況


このように、飲食店はほかの業種と比べて人手不足が顕著となっています。


※1…労働者数が増加した事業者の割合から減少した事業者の割合を差し引いた値
※2…労働者が不足する事業者の割合から過剰となっている事業者の割合を差し引いた値

出典:厚生労働省『令和6年版 労働経済の分析』『労働経済動向調査(令和7年2月)の概況



飲食店の人手不足が深刻化している原因

飲食店の人手不足が深刻化する原因には、経済社会活動の回復に伴う人材需要の増加や労働環境の問題による定着率の低さなどが考えられます。


人材需要の増加

コロナ禍を経てインバウンド需要の回復やサービス消費の増加が進んだことにより、飲食店での人材需要が高まっています。

少子高齢化による労働力人口の減少が進むなか、経済社会活動の回復に伴う人材需要と供給のギャップが拡大したことが人手不足を招く原因の一つとなっています。


定着率の低さ

飲食店は、人材の定着率が低い問題があります。

厚生労働省の『令和6年上半期雇用動向調査結果の概況』によると、“宿泊・飲食サービス業”では入職率と離職率がともに高くなっており、人材が定着しにくい傾向があることが分かります。


▼【産業別】一般労働者の入職率・離職率(2024年上半期)

	【産業別】一般労働者の入職率・離職率(2024年上半期)

画像引用元:厚生労働省『令和6年上半期雇用動向調査結果の概況


一般労働者の離職率は10.9%となっており、全産業でもっとも高くなっています。


▼【産業別】パートタイム労働者の入職率・離職率(2024年上半期)

【産業別】パートタイム労働者の入職率・離職率(2024年上半期)

画像引用元:厚生労働省『令和6年上半期雇用動向調査結果の概況


パートタイム労働者においては離職率が17.9%となり、“電気・ガス・熱供給・水道業”に次いで2番目に高くなっています。飲食店の離職率が高くなる背景には、賃金や労働環境に関する問題が挙げられます。


▼低水準の賃金

厚生労働省の『令和6年賃金構造基本統計調査の概況』によると、“宿泊業・飲食サービス業”の賃金は年間で269万5千円と全産業でもっとも低くなっています。


▼年次有給休暇の取得率

厚生労働省の『令和6年就労条件総合調査の概況』によると、従業員一人当たりにおける年次有給休暇の平均取得率は、“宿泊業・飲食サービス業”で51.0%ともっとも低くなっています。産業計の65.3%と比べて差があることが分かります。


出典:厚生労働省『令和6年上半期雇用動向調査結果の概況』『令和6年賃金構造基本統計調査の概況』『令和6年就労条件総合調査の概況



飲食店の人手不足に歯止めをかけるための対応策

飲食店の人手不足に対応するには、生産性の向上を図るとともに、人材採用の強化や働きやすい労働環境への改善を図ることが重要です。


➀ITの導入による業務の効率化

限られたスタッフで現場の業務を円滑に遂行するには、ITを導入して効率化を図ることがポイントです。スタッフが行っていた作業をデジタル化することで、業務量が削減されて人手不足を解消できる可能性があります。


▼飲食店におけるITの活用例

ITツール・システム

概要

Web予約システム

インターネットでの予約受付を行い、電話による予約受付や台帳記入の作業を自動化する

オーダーシステム

タブレットやスマートフォンを用いたオンライン注文受付により、ホールスタッフの業務を削減する


モバイルPOS

タブレットやスマートフォンでPOSレジの機能を利用することで、レジ作業の効率化とデータの自動集計を行う


②外国人労働者や短時間労働者の採用

「求人を出しても応募がこない」「正社員の採用がうまくいかない」などの悩みを持つ飲食店では、外国人労働者や短時間労働者を採用することも一つの方法です。

注文受付やレジ業務などをデジタル化したり、日本語の研修制度を導入したりすることで、言葉の壁がある外国人労働者も即戦力として活躍してもらえます。

また、短時間から勤務できる制度を導入することで、学業や家事、ほかの仕事と柔軟に予定を調整できるため、応募が集まりやすくなると考えられます。


③働きやすいシフトの作成

昼営業から夜営業まで運営する飲食店では、スタッフが交代制で勤務するシフト制が採用されています。スタッフの定着化や採用の促進につなげるには、働きやすいシフトを作成することが欠かせません。


▼働きやすいシフトを作成するポイント

  • 休みの取り方で不公平が生じないようにする
  • 学業や育児、副業などの個別事情はできる限り配慮する
  • 特定のスタッフに負荷が集中しないように人員配置を行う
  • 労務管理を徹底して長時間労働や過度な連勤を防ぐ など


特に正社員では、アルバイト・パートタイム労働者のシフトが埋まらなかった際に時間外労働や休日出勤をせざるを得なくなるケースがあります。コンプライアンスを徹底するためにも、一人ひとりの労働時間を適正に管理することが重要です。



まとめ

この記事では、飲食店の人手不足について以下の内容を解説しました。


  • 飲食店における人手不足の現状
  • 飲食店の人手不足が深刻化している原因
  • 飲食店の人手不足に歯止めをかけるための対応策


飲食店では、経済社会活動の回復に伴う人材需要の増加や労働条件・環境の問題による定着率の低さなどから人手不足が見られています。

人材の定着化と採用の促進につなげるには、ITの導入や労働条件の見直し、働き方の改善などを図り、スタッフによって働きやすい職場をつくることが大切です。

なかでもスタッフのシフトは、コンプライアンスの徹底やワークライフバランス向上において重要な要素といえます。労働時間を適正に管理するには、シフト管理システムの活用が有効です。

シフオプ』は、シフトの収集・作成・共有を行えるクラウドシステムです。スタッフの労働時間を可視化して長時間労働の防止を図れます。また、時間帯ごとに必要な人員数をチェックできる機能があるため、ピークタイム・アイドルタイムに合わせた人員配置が可能です。

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