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原因は企業の体制にある? 人手不足の原因とは

※2019年2月4日公開の記事に修正を加えています。


新規人材の採用・定着に課題を抱えており、自社の人手不足に悩んでいる担当者の方も少なくありません。

しかし、人手不足の原因がはっきりしない状態でどうにかしようとしても、根本的な解決につながるとは限りません。人手不足を解消するには、時代背景や社内体制、労働者の不満などを知り、原因を特定することが重要です。

この記事では、国内における人手不足の現状と労働者が抱えている不満、人手不足の対策方法について解説します。


目次[非表示]

  1. 人手不足の現状と背景
  2. 人手不足が深刻な業界
  3. 人手不足になる原因
  4. 人手不足を解消するための5つの対策
  5. まとめ


人手不足の現状と背景

国内の人手不足が深刻化している背景には、大きく分けて4つの要因が挙げられます。労働人口の減少と高齢化、非正規雇用の増加と働くことへの意識の変化など、それぞれが深く関係しています。


労働人口の減少

人手不足の背景として、少子高齢化によって人口とともに生産年齢人口が減少していることが挙げられます。

厚生労働省の『令和3年版 高齢社会白書』によると、2020年時点の国内の総人口は1億2,571万人となっており、2065年には8,808万人まで減少すると推計されています。

また、労働力として期待できる15〜64歳の生産年齢人口についても、2020年の7,449万人から、2065年には4,529万人まで減少すると予想されています。将来にわたって生産年齢人口の減少が見込まれるなか、企業は働き手を確保することがさらに難しくなると考えられます。

出典:厚生労働省『令和3年版 高齢社会白書


非正規雇用の増加

1996年の労働者派遣法改正を皮切りに、2004年には“最長3年の派遣期間の延長”、“製造業務における派遣の許可”などが認められ、非正規雇用の規制が続いています。

企業のなかには、人材需要の変動に対応しやすいことや人件費の安さから、非正規雇用を積極的に雇用しているケースも見られます。

一方、非正規雇用と正規雇用の待遇格差が拡大すると、求人を出しても人材は集まりづらく、採用しても定着しません。雇用形態による待遇格差や労働環境が原因で、人材不足に陥っているケースも少なくありません。

出典:厚生労働省『改正労働者派遣法の概要


働くことへの意識の変化

近年、働き方改革の推進や生活様式の変化によって、特に若年層の間で働き方への意識が変化しています。

出世よりも、ライフスタイルの充実を望む若年層が多く、無理して同じ企業で働き続けるよりも「自分に合わない」「思っていた条件と違う」と感じたら離職・転職を考える人も見られています。


労働者の高齢化

国内の少子高齢化に伴い、企業で主力となっている社員の高齢化が進んでいます。

生産年齢人口の減少に伴う若手人材の採用が困難な現在、活躍していた社員が次々と退職や定年を迎える企業も今後増えると予想されます。そのため、結果的に人手不足に陥ってしまうケースがあります。

企業で長く働いてきた社員は、業務遂行能力や長年の経験で得たノウハウなどで、大きな役割を果たしています。そのような社員がいなくなることで、全体の生産性が大きく落ちてしまうことも考えられます。

「社員はいつか退職してしまう」ということを念頭に置き、新たな人材の採用や教育・定着に注力することが大切です。

出典:総務省統計局『2.高齢者の就業



人手不足が深刻な業界

人手不足が深刻化している業界として、医療・福祉、建設業、運輸業・郵便業、

宿泊・飲食サービス業、その他サービス業などが挙げられます。

厚生労働省の『労働経済動向調査(令和4年2月)の概況』によると、労働者過不足判断D.I()は、正社員で+39ポイント、パートタイム労働者で+26ポイントとなっています。正社員、パートタイム労働者ともに、人材が不足している企業の割合が多いことが分かります。

また、正社員等労働者・パート労働者それぞれにおいて、人手不足感が強い業界は以下となっています。


▼人手不足感が強い業界(2022年2月時点、上位3位)※労働者過不足判断 D.I. 


正社員等労働者
パート労働者
医療、福祉(55ポイント)
宿泊業、飲食サービス業(49ポイント)
建設業(53ポイント)
生活関連サービス業、娯楽業(40ポイント)
運輸業、郵便業(51ポイント)
サービス業※ほかに分類されないもの(36ポイント)

厚生労働省『労働経済動向調査(令和4年2月)の概況』を基に作成


このように、正社員とパート労働者では、人手不足感が強い業界が異なっています。

また、産業別の欠員率については、産業計で2.8%となっており、以下の業界で特に欠員率が高くなっている状況です。


▼産業別の欠員率(2022年2月時点、上位3位)

  • サービス業 ※ほかに分類されないもの(4.9%)
  • 運輸業、郵便業(4.5%)
  • 宿泊業、飲食サービス業(4.3%)

※労働者過不足判断D.Iとは、当該期(間末)を前期(間末)と比べて、「増加」と回答した事業所の割合から「減少」と回答した事業所の割合を差し引いた値

出典:厚生労働省『労働経済動向調査(令和4年2月)の概況



人手不足になる原因

人手不足になる要因には、人口減少や労働者の高齢化など外的要因だけではありません。企業に対して不満がある場合、社員が離職・転職してしまい、人手不足につながる可能性があります。

ここからは、厚生労働省の調査結果を基に、労働者が企業の体制に対して抱く不満について紹介します。

出典:厚生労働省職業安定局『雇用を取り巻く環境と諸課題について


賃金に対する不満

労働時間や業務内容に対して適正かつ正当な賃金を支給していない場合、社員がモチベーションを維持できず、退職につながることがあります。

企業は、社員一人ひとりの成果や労働時間に対して、働きに見合った適正な賃金を支払う必要があります。


労働条件(賃金以外)に関する不満

長時間労働や休日出勤が多い、福利厚生が乏しいといった企業は、社員の不満が溜まりやすく、定着につながりません。

社員がどのような環境で働くことを望んでいるのか、どのような制度があれば働きやすくなるかを考える必要があります。

具体的には、労働時間の長さ、年間休日、有給取得率、福利厚生など、働きやすい労働条件がそろっていることが重要です。


人間関係に関する不満

仕事を円滑に進めていくには、職場の良好な人間関係やチームワークが欠かせません。人間関係にトラブルが起きやすい環境では、生産性が低下するほか、環境になじめずに離職してしまうといった問題につながります。

企業には、社内の人間関係が円滑にいくような仕組みや社員が気軽に相談できるような環境づくりが求められます。


企業の将来性に関する不満

会社の将来性に期待を持てなくなると、社員はやりがいやモチベーションを維持しづらくなり、働く意欲が低下してしまいます。

また、「現場で働く社員の声を聞かない」「意思決定が遅く生産性が上がらない」などの非効率的な組織体制では、社員が定着せずに人材が減っていくおそれもあります。

働き手にとって魅力的な企業へとつねに成長し続けられるように、「若手社員が活躍できる場をつくる」「業務プロセス・方法を見直して効率化を図る」などの取組みを実施することが重要です。


不安定な雇用に関する不満

アルバイトやパート労働者などのように、非正規雇用を継続している場合、生活が不安定になるリスクがあるため、人材が流出してしまうことがあります。

正しい評価を行い給与を見直したり、正社員登用したりなど、待遇の改善が求められます。社員一人ひとりの生き方や働き方に合わせて、柔軟な雇用形態を選べるようにすることが理想です。



人手不足を解消するための5つの対策

企業の人手不足の解消にあたって重要視するポイントは、新規採用と定着率の向上です。どちらか一方ではなく、双方を視野に入れて対策を講じることが必要といえます。

ここからは、人手不足を解消するための5つの対策を紹介します。


①働きやすい職場環境をつくる

社内の人事評価制度や待遇を見直して、既存社員にとって働きやすい労働環境づくりを目指す必要があります。

給与に関わる点だけではなく、人間関係やプライベートとの両立のしやすさなども考慮することがポイントです。社員が働きやすい職場をつくることで、優秀な人材の離職、新入社員の早期離職を防げるようになります。


▼人事・待遇面に関する対策

  • 売り上げや成績に応じて特別報酬を設ける
  • 社内資格制度を導入して、資格取得者の給与をアップする
  • 賃金改定のルールを設けて、職種や雇用年数、スキルに応じて給与を見直す


▼人間関係やプライベートに関する対策

  • モチベーションの高まるオフィスに改築する
  • 定期面談やハラスメントの相談窓口を導入する
  • 独自の福利厚生制度を設ける(誕生日休暇、リフレッシュ休暇など)


②適材適所へ人材を配置する

社員一人ひとりの能力が十分に発揮されるように、適材適所の人材配置を行うことが大切です。

年齢や入社時期に関係なく、一人ひとりの能力に見合った配置をすることで、社員のモチベーションの向上、生産性の向上につながることが期待されます。


▼人材配置の例

  • 社員の得意な業務に配置して、さらにスキルアップを図る
  • 社員にヒアリングを行い、できるかぎり希望の職種・業務に配置する
  • 入社時にジョブローテーションを実施して、業務のイメージをつかんでもらう


③業務を外部へ委託する

人員が不足している部署・業務について、外部に委託することも一つの方法です。委託費用はかかりますが、人材の流動性が高い職場では、自社で人材を採用するよりもコストを抑えられるケースもあります。

社内業務を外部に委託することで、既存社員の業務負担が軽減されるため、長時間労働の削減につながります。過重労働を防ぐことで、働きやすい職場環境へとつながり、定着率の向上が期待できます。

また、自社のコア業務に人員を配置できるため、生産性の向上が期待できることもメリットの一つです。


▼外部委託の例

  • 経理や総務など事務全般のノンコア業務、定型的な業務を外部委託する
  • 業務の企画・設計・実施などを一括して外部委託する
  • 自社の専門分野でない業務については、専門性の高い企業やコンサルティング会社に相談する


④採用・求人方法を見直す

採用活動を強化するために、採用ターゲットや求人方法を見直して、必要としている人材にアプローチすることも重要です。

正社員や長時間労働ができる人材にこだわらず、シニア層、時短希望の主婦・主夫、外国人留学生など採用ターゲットを見直しましょう。求人の幅を広げることで、新たな人材を確保できる可能性があります。

求人を出す際は、人員が足りない時間帯や曜日などに絞って募集をかけることがポイントです。


▼採用方法の見直し例

  • 再就職制度を設けてシニア層の求職者を受け入れる
  • 外国人留学生・労働者向けの生活支援制度を導入して、採用促進を図る
  • 時短勤務・テレワークを導入して、時短・在宅勤務希望を受け入れる


▼求人方法の見直し例

  • ダイレクトリクルーティング、積極的に求職者にアプローチする
  • TwitterやInstagramなど、SNSを活用したソーシャルリクルーティングを実施する
  • 採用専用のホームページを作成する


⑤自社の人材を育成する

企業の人手不足対策として欠かせないのが人材の育成です。コストをかけて採用した人材が流出しないように、資格取得支援や外部研修などを実施して、若手社員・管理者人材を育成することが有効です。

スキルアップやキャリアアップができる制度を設けることで、社員のモチベーション向上、業務品質の向上につながります。また、新入社員への育成・フォローができる体制が整うため、早期離職の防止にもつながります。


▼人材育成の例

  • 社員・管理者へIT教育・研修を実施する
  • 自社または外部機関で営業研修を実施する
  • 資格取得のための受講費用を支援する
  • メンター制度を導入する



まとめ

この記事では、自社の人手不足についてお悩みの担当者の方に向けて、以下の項目で解説しました。

  • 人手不足の現状
  • 人手不足が深刻な業界
  • 労働者が抱えている不満
  • 企業における人手不足の対策方法

人手不足の問題は、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や社員の高齢化など、社会的な要因も関係しているため、解決することは決して容易ではありません。

企業側の対策としては、採用・求人方法を見直して新たな人材の確保を図りつつ、社員にとって魅力的な職場・労働環境を整えることが必要です。

そのためには、社員が抱えている不満を把握したうえで、待遇面や人員配置、労働環境などをつねに改善していくことが重要といえます。

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