
【介護職編】シフト表作成で時短する3つのコツ
介護職におけるシフト管理は、さまざまなルールを考慮する必要があるため、ほかの職種と比べて難しいといわれています。
高齢化が進んでいる今、介護業界は慢性的な人材不足となっており、スタッフを確保するためにも、より希望に添ったシフト管理が求められています。
本記事では、介護職のシフトによくあるパターンやシフト作成の難しさ、効率的に作成するコツについて紹介します。
介護職のシフトでよくあるパターン
介護スタッフが働く職場の形態には、主に病院や老人ホームのような“入居型”と、利用者の方が通う“通所型”、スタッフが訪問する“訪問介護”があります。
介護職のシフトでよくあるパターンの例は以下のとおりです。
▼シフトパターンの例
シフトパターン |
早番 |
日勤 |
遅番 |
夜勤 |
2交代制 |
なし |
9:00~18:00 |
なし |
17:00~翌11:00 |
3交代制 |
なし |
7:00~15:00 |
14:00~22:00 |
21:00~翌6:00 |
4交代制 |
7:00~16:00 |
9:00~18:00 |
10:00~19:00 |
17:00~翌11:00 |
日勤のみ
(通所・訪問介護)
|
なし |
8:30~17:30
9:00~18:00
|
なし |
なし |
通所型や訪問介護の場合、日勤のみで対応できる場合もありますが、入居型の施設では夜の時間帯にもスタッフを確保する必要があります。
ここからは、各パターンの特徴について詳しく解説します。
2交代制
2交代制は、日勤と夜勤に分かれて働くシフトパターンです。日勤は8時間労働のフルタイムで働き、夜勤は16時間程度の長時間で働くことが一般的です。
少ない職員で業務を回せますが、夜勤の労働時間が長くなるため、夜勤明けの日を公休日として設けたり、1週間当たりの休日数を増やしたりして調整されます。
3交代制
3交代制は、日勤・遅番・夜勤に分かれて働くシフトパターンです。時間帯が細分化されているため、1日8時間の勤務になることが一般的です。ただし、2交代制のシフトと比べて多くのスタッフを確保する必要があります。
4交代制
4交代制は、早番・日勤・遅番・夜勤に分かれて働くシフトパターンです。3交代制と同じく、1日当たりの勤務時間が細分化されているため、夜勤以外の日では8時間以内で働くケースが一般的とされています。
4交代制の夜勤は、2交代制と同じく長時間になりやすいですが、ほかのスタッフと勤務が重なる時間帯が多いため、業務のフォローがしやすくなります。
日勤のみ(通所・訪問介護)
通所介護や訪問介護では、お泊りデイサービスや夜間帯の訪問などを行っていない場合、日中のみの営業となります。
日中のみの営業の場合は、1日8時間のフルタイムで、少しずつ時間をずらしたシフトが組まれるケースが一般的です。
介護職におけるシフト作成の難しさ
介護職におけるシフト作成は難しいといわれています。難しくなる原因には、以下が考えられます。
▼シフト作成が難しくなる原因
- 人手不足でシフトが埋まりにくい
- 労務管理が複雑になりやすい
- 人員配置基準を考慮する必要がある
介護職は、慢性的な人手不足に悩まされている職種です。限られたスタッフでシフトを組む必要があるため、シフトを埋めることが難しく、残業や休日出勤が発生するケースもあります。
また、交代制のシフトが一般的で、勤務時間の枠に合わせてスタッフを配置したり、勤務時間を計算したりする作業が複雑になりやすいといえます。夜勤明けの公休や勤務間インターバル、負荷の公平性なども考慮する必要があり、シフト作成に時間・労力がかかってしまいます。
さらに、介護施設では、利用者に対して適切な介護を行うために、専門資格を有するスタッフを一定人数以上配置する義務が定められています。
▼介護療養型医療施設における人員基準
医師 |
医療法に規定する必要数以上
(概算で148対1)
|
薬事師 |
医療法に規定する必要数以上
(概算で150対1)
|
看護職員 |
6対1以上 |
介護職員 |
6対1以上 |
理学療法士、作業療法士 |
実情に応じた適当数 |
栄養士 |
医療法に規定する必要数以上 |
介護支援
専門員
|
1以上 |
厚生労働省『介護療養型医療施設及び介護医療院(参考資料)』を基に作成
必要な人員を配置していない場合は法令違反となってしまうため注意が必要です。
なお、介護業界の人手不足については、こちらの記事で詳しく解説しています。
出典:厚生労働省『介護療養型医療施設及び介護医療院(参考資料)』『介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進について』
介護職のシフトを作成する際のコツ
介護職におけるシフト作成を効率的に行うためには、一定の手順に沿って人員を配置していくことがコツです。
①必要なスタッフ数を算出する
シフトを作成する際は交代制シフトの勤務時間帯ごとの作業内容を踏まえたうえで、必要なスタッフ数を算出します。この際、業務内容や有資格者の人員配置基準、スタッフごとの能力などを踏まえて、投入するスタッフ数を把握することが重要です。
また、特定のスタッフに負担が集中しないように、業務の負荷や時間帯を考慮して人員配置のバランスを考える必要があります。
②確定要素からシフトを埋める
シフトを組む際は、変更が難しい(できない)要素からシフトを埋めていき、勤務ペースができるだけ一定になるように調整します。確定要素からシフトを埋めることで、法令に基づいた人員配置がしやすくなります。
▼シフトの作成例
- 法令に基づいた人員配置基準に沿って有資格者を配置する
- 勤務時間・曜日が固定されている非常勤スタッフのシフトを決める
- 夜勤・公休を優先的に設定してから、ほかのシフトを調整する
③スタッフ間のルールを設定する
シフトを組む際に特定のスタッフに負担が偏ると、過労や不平不満につながるリスクがあります。各スタッフの希望を取り入れつつ、公平なシフトを作成するために、スタッフ間でのルールを設定しておくことが重要です。
シフトに関するルールに定める項目には、以下が挙げられます。
▼ルールに定める項目例
- 休み希望の回数
- 夜勤の回数
- 連続勤務の日数 など
スタッフそれぞれが希望する働き方は異なります。個々のスタッフの事情を考慮しつつ、労働条件や法令を遵守したシフトを作成することが大切です。
まとめ
この記事では、介護職におけるシフト作成について以下の内容を解説しました。
- 介護職のシフトパターン
- 介護職のシフト作成を難しくしている要因
- 介護職のシフトを作成する際のコツ
介護職では人手不足によってシフトが埋まりにくいケースがあります。そのほかにも、交代制の勤務で人員配置が煩雑になる、人員配置基準を考慮する必要があるなどのさまざまな原因によって、シフト作成が難しくなります。
人の手でスタッフを配置したり、法令違反をチェックしたりするのには労力がかかるほか、ミスも発生しやすくなります。法令を遵守したシフトを効率的に作成するには、シフト管理システムの活用が有効です。
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詳しくは、こちらをご確認ください。