雇用契約書における電子化の可否とメリット・デメリット、注意点を解説

雇用契約書における電子化の可否とメリット・デメリット、注意点を解説

従業員を雇用する際に締結する書面として、“雇用契約書”があります。

雇用契約書は、法律上作成の義務はありませんが、労使双方の合意によって労働契約の締結を証明するために、作成することが望ましいとされています。

また、雇用時に交付が義務づけられている“労働条件通知書”を兼ねて作成が可能です。

近年では、交付の円滑化や書類管理の負担軽減に向けて、さまざまな契約書面の電子化が認められています。

そうしたなか、「雇用契約書や労働条件通知書は電子化できるのか」「電子化する際の注意点が知りたい」と考えている人事・労務担当者も多いのではないでしょうか。

この記事では、雇用契約書の電子化を検討している方に向けて、雇用契約書の電子化の可否と、メリット・デメリット、注意点を解説します。


目次[非表示]

  1. 雇用契約書は電子化できるのか
  2. 雇用契約書を電子化するメリット・デメリット
  3. 電子化する際の注意点
  4. まとめ


雇用契約書は電子化できるのか

雇用契約書の電子化は可能です。雇用契約書の作成は法律で義務づけられておらず、交付する方法についても特に規定は設けられていません。

ただし、雇用する際の労働条件を明示するために、『労働基準法』第15条において労働条件通知書の作成・交付が義務づけられています。

労働条件通知書は、原則書面での交付が必要ですが、従業員が希望した場合には電子化が認められています。つまり、『労働条件通知書兼雇用契約書』として作成する場合でも、従業員の希望に応じて電子化することが可能です。

これらの書面の電子化が可能になったことで、労働条件を以下の方法で明示できるようになりました。


▼労働条件の明示方法

  • FAX
  • Eメール、Webメールサービス
  • SNSメッセージ機能


いずれも、出力して書面を作成できる方法に限られます。なお、第三者が閲覧できる個人ブログやホームページでの書き込みによる明示はできません。

労働条件通知書兼雇用契約書については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

労働条件通知書兼雇用契約書とは? 記載内容や作成するメリットを解説

出典:厚生労働省『平成31年4月から、労働条件の明示がFAX・メール・SNS等でもできるようになります』/e-Gov法令検索『労働基準法



雇用契約書を電子化するメリット・デメリット

雇用契約書を電子化するに当たり、メリット・デメリットを把握しておくことが大切です。


メリット

電子化するメリットとして、以下が挙げられます。


▼メリット

  • 採用業務の効率化
  • 書類管理の負担軽減
  • コストの削減


雇用契約書を電子化することで、書面の受け渡しや郵送、印刷などが不要となり、契約書の交付から締結までを短時間で進められます。また、採用業務においても、募集から雇用契約締結までスムーズに行えるため、効率化につながります。

電子化された契約書はデータとして保管・管理ができ、ファイリングが不要になるほか、検索・更新処理もしやすくなり、担当者の負担を軽減できます。

さらに、電子化によって印刷費やインク代、郵送費、封入にかかる時間的コストなどを削減できることもメリットの一つです。


デメリット

雇用契約書の電子化には、以下のようなデメリットがあります。


▼デメリット

  • 電子署名への対応が必要
  • 社内フローの変化


雇用契約書は、労使双方が署名・捺印することで、労働契約に合意したことを証明する書面です。

そのため、雇用契約書を電子化する際は、電子契約・署名ができるITサービスの導入が必要です。このような外部サービスの利用には、導入コストが発生するといったデメリットがあります。

また、社内のフローが変わるため、電子化の対応に慣れるまで時間がかかったり、混乱を招いたりする可能性もあります。

電子契約へと切り替える前には、ワークフローを定めるとともに、社内担当者や従業員に対して周知・説明を行っておくことが重要です。



電子化する際の注意点

雇用契約書を電子化する際は、以下の2点に注意します。


①従業員の同意を得る

雇用契約書を電子化するに当たり、従業員の同意を得る必要があります。

従業員のなかには、パソコンやスマートフォンの操作に慣れていない方もいるため、雇用契約書を書面から電子媒体に変更する際は、交付方法の希望を従業員に確認して同意を得ることが大切です。

また、従業員が電子媒体を希望する場合には、手続き方法や操作方法について詳しく説明を行うことでトラブルを防ぎます。


②電子帳簿保存法を遵守する

雇用契約書の電子化には、電子帳簿保存法で定められた形式で保存する義務があります。

電子帳簿保存法では、電子化した雇用契約書をはじめ、請求書、領収書、見積書などの書類を一定期間保存することが定められています。

また、保存の方法については、改ざん防止のための措置を講じるとともに、検索性を確保した状態で行うことが必要です。

電子化に当たりITサービスを導入する際は、電子帳簿保存法の要件を満たしているかどうか確認しておきます。

出典:国税庁『電子取引データの保存方法をご確認ください



まとめ

この記事では、雇用契約書の電子化について以下の内容を解説しました。


  • 雇用契約書における電子化の可否
  • 電子化によるメリット・デメリット
  • 電子化する際の注意点


雇用契約書は、書面に限らず電子媒体で締結することが可能です。

雇用契約書を電子化するメリットとしては、採用業務の効率化や書類管理の負担軽減、コスト削減などが挙げられます。ただし、電子契約・署名ができるITサービスの利用が必要になるほか、社内フローが変わるといったデメリットもあります。

電子化する際は、従業員の同意を得るとともに、社内フローや手続きを周知・説明しておくこと、また電子帳簿保存法に対応することが重要です。

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