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従業員のシフトを会社が勝手に変更するのは法律違反?

新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)による時短営業や休業に伴い、従業員のシフト変更が必要になるケースも少なくありません。しかし、従業員の勤務日や時間帯を企業側が勝手に変更すると、従業員とのトラブルに発展するおそれがあります。

やむを得ず急なシフト変更が必要になった際、会社はどのように対応すればよいのでしょうか。また、シフト管理者は会社側の一方的なシフト変更が法律違反にあたるのかどうかを把握したうえで対応することが重要です。

本記事では、会社側の勝手なシフト変更が法律に接触するかどうかをはじめ、シフトを変更する際の注意点について解説します。


目次[非表示]

  1. 会社側の勝手なシフト変更は違法
  2. 会社都合のシフト変更は休業手当の支払いが必要
  3. やむを得ずシフト変更をするときの対応例
  4. まとめ


会社側の勝手なシフト変更は違法

労働契約で定められた労働条件を従業員の同意なく不利益に変更することは法律で禁止されています。会社側の勝手なシフト変更についても、以下のケースでは法律違反となるため注意が必要です。


▼シフト変更が違法になるケース

  • シフトの決定後に従業員の同意なく休みに変更する
  • 閑散期に早退を指示したり、従業員の同意なく勤務時間をカットしたりする
  • 雇用契約で定めた勤務日数をシフトに入れない

出典:厚生労働省『知っておきたい働くときのルールについて



会社都合のシフト変更は休業手当の支払いが必要

会社の都合によって従業員を休業させた場合には、従業員に支払う平均賃金の6割以上の手当を支払う義務があります。どのようなケースで支払い義務が生じるのか、以下で詳しく解説します。


休業手当の支払いが必要なケース

会社都合で休ませる場合には、従業員への休業手当の支払いが必要です。会社都合とは、事業主の故意や過失、経営上、管理上の要因に起因する休業にあたります。

会社都合の休業には以下のようなケースが挙げられます。

  • 経営難による休業
  • 業務量の減少に伴う休業

出典:厚生労働省『休業手当について


休業手当の支払いが必要外となるケース

休業に至った原因が不可抗力によるもので、企業側の努力だけでは回避できない場合には休業手当の支払い義務が生じません。

不可抗力に該当する事由には以下が挙げられます。

  • 地震や洪水、落雷などの自然災害
  • 計画停電
  • 緊急事態宣言による休業
  • コロナに感染した労働者を休業させる

なお、コロナが原因で休業する場合には休業支援金・給付金の対象となるケースがあります。コロナに関する休業支援金・給付金制度についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。


  コロナの休業補償はアルバイトも対象? 給付額や申請方法を解説 | シフオプ コロナに起因する休業の場合には、『新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金』の対象となることがあります。アルバイトを雇用する使用者は、対象範囲や申請方法について確認しておくことが重要です。この記事では、コロナによる休業補償制度の概要と申請方法について解説します。 シフオプ

出典:厚生労働省『労働者を休業させるときは休業手当の支払いが必要です



やむを得ずシフト変更をするときの対応例

シフト変更は安易に行ってはいけませんが、やむを得ず急なシフト変更を行わなければならない場合もあります。

特に、コロナ禍においては先の見通しを立てにくく、急なシフト変更が必要になることも考えられます。

シフトを変更する際は、変更が必要である理由を従業員にしっかりと説明して理解を得るための対応が求められます。ここでは、シフト変更に対する具体的な対応について解説します。


①従業員のシフト調整希望をヒアリングする

休業や時短営業によってシフト変更が必要になった際は従業員の事情をヒアリングすることが重要です。

コロナ対策のために出勤を控えたい人、生活のためにできるだけ休みたくない人など、従業員によって事情はさまざまです。シフト変更を行う際は、個々の事情をヒアリングしたうえで、できる限り希望に沿うよう勤務時間や休日数を調整しましょう。

また、一部の従業員に対する負担が大きくなるとトラブルにつながる可能性があります。シフト変更による影響が一部の従業員に偏らないようにする配慮も欠かせません。


②従業員から合意を得る

従業員への周知や合意のないシフト変更はトラブルを招く原因となります。シフトを変更する際は、事情をしっかりと説明し、従業員の理解を得ることが大切です。

また、勤務時間や曜日の変更にあたり、できるだけの努力をしていることを示すことも重要です。たとえば、「週5日勤務から週3日勤務へ変更する」という内容に対して、「1日あたりの勤務時間を増やす」といった調整を行います。休業による負担を低減する提案を行うことで、合意を得られるケースもあります。


③休業手当・休業支援金の説明をする

コロナによるやむを得ないシフト変更の場合は、休業手当や支援金の活用を検討するのも一つの方法です。その場合は従業員に対して休業手当や支援金の対象となるのか否かの説明をしっかりと行う必要があります。

休業手当の支払いをはじめ、休業支援金・給付金申請を活用し、従業員の不利益をできる限り抑える配慮が求められます。



まとめ

企業側が従業員の合意なく、勝手にシフトを変更することは法律違反にあたります。また、会社都合のシフト変更で休業させる場合には、休業手当を支払わなければなりません。

ただし、自然災害が起きたときや緊急事態宣言が発令されたときなど、不可抗力による休業の場合は企業に支払いの義務は生じません。コロナが原因となる場合には、休業支援金・給付金の対象となるケースもあるため、適用条件を確認し、従業員への補償に努めることが重要です。

また、やむを得ずシフト変更が必要になった場合には、一部の従業員に負担が偏らないように配慮することも欠かせません。従業員からの理解を得られるよう、個人の事情を考慮したシフト調節を心がけましょう。

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