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【バス運転手編】シフト作成時のポイント・注意点まとめ

バス運転手の仕事は、シフト制勤務が一般的です。平日のほかにも土曜・日曜・祝日にも業務があり、朝から夜まで運行するケースも珍しくありません。そのため、勤務時間が変則的になりやすいです。


たとえば、夜どおしの乗務が発生する夜行高速バスの運転手は、生活リズムが乱れやすいといえます。バス運航会社の配車係を行っているシフト管理者さまのなかには「法律に違反していないか不安」「適切に労働時間を管理したい」といった懸念を持っている方も多いのではないでしょうか。


シフトを作成する際は、適切に休憩や休日を取得して過度な負担がかからないように考慮することが重要です。本記事では、バス運転手の勤務体制を踏まえてシフト作成時の注意点について解説します。


目次[非表示]

  1. バス運転手の勤務体制
  2. バス運転手の1日のタイムスケジュール
  3. バス運転手のシフト作成の注意点
  4. システムの活用でバス運転手のシフトを適切に管理
  5. まとめ


バス運転手の勤務体制

バス運転手の仕事は、バスを運転してお客さまを目的地へと運ぶことです。主に路線バス・貸切(観光)バス・高速バスなどが挙げられます。


路線バス

決まったルートを時間どおりに運行する路線バスでは、早番・遅番・通し勤務が一般的な勤務パターンです。1日の勤務時間は8~13時間、勤務時間内に1~2時間ほどの休憩を挟みます。


始発と終発の時間が決まっているため、1日あたりの勤務時間は一定になりやすいのが特徴です。ただし、早番と遅番、通し勤務をローテーションする場合は、勤務時間帯が不規則になります。


貸切(観光)バス

ツアーや旅行客のために運行する貸切バスでは、予約状況によって勤務パターンが変動します。日帰り運行や長距離運行が中心となるため、1日の勤務時間は12~13時間ほどと長くなりやすいのが特徴です。


また、長期休暇や帰省ラッシュの時期は忙しくなります。運転時間が長くなる場合は、もう一人の乗務員とペアを組み、交代しながら運行するのが一般的です。


高速バス

高速バスには、昼行高速バスと夜行高速バスの2種類があります。昼行高速バスは日中の勤務がメインのため、夕方頃には退社できるのが一般的です。


一方、夜行高速バスは夜遅くから夜どおしで運転するため夜間勤務がメインとなります。いずれの場合も勤務時間は8~13時間ほどですが、夜間の場合は特に生活リズムが乱れやすくなります。


貸切(観光)バスと同様に、運転時間が長くなる場合はもう一人の乗務員とペアを組み、交代しながら運行するのが一般的です。



バス運転手の1日のタイムスケジュール

ここでは、夜間に運行がある高速バスの運転手のタイムスケジュール例をご紹介します。


▼夜勤 20:00~翌日7:00に勤務する場合


スケジュール
業務内容

出勤

20:00

  • 点呼
  • アルコール検査
  • 車両点検
  • 路線確認

出発

21:00

  • 乗務開始

乗務交代

01:00

  • 休憩
  • 仮眠

目的地到着

06:30

  • 営業所へ入庫
  • 車両点検
  • 清掃

退勤

07:00

  • 点呼
  • アルコール検査


夜行高速バスの場合、目的地に到着した日に夜勤があり、前日の出発地へと戻ります。


決められたルート・時間帯で運行しますが道路状況によっては残業が発生する場合もあります。体力的な負担も大きくなるため、法律で定められた労働時間を守ること・休憩を取ることが重要です。



バス運転手のシフト作成の注意点

バス運転手は勤務時間帯が不規則になりやすく、夜間の場合は体力的な負担も大きいと考えられます。


安全な運行の確保や運転手の労働環境の改善を図るために、厚生労働省ではバス運転手の労働時間・休憩についての基準を定めており、事業者はそのルールを遵守しなければなりません。


また、違反事業者は行政処分となるため、シフト作成時には注意が必要です。以下では、シフト作成時に気をつけておきたい注意点を紹介します。


勤務時間の上限

勤務時間とは、始業時刻から終業時刻までの労働時間・休憩を含む合計時間を指します。


▼勤務時間の上限

  • 原則、1日あたりの勤務時間は13時間以内
  • 延長する場合も16時間が限度
  • 4週を平均した1週間あたりの勤務時間は、原則65時間が限度


労使協定を締結した貸切バスや高速バスの運転手については、52週間のうち16週間までは、勤務時間を71.5時間までの延長が可能です。ただし、1日の休息期間は連続8時間以上に設定する必要があるため注意しましょう。


▼勤務時間と休息時間の例

休憩時間の例

画像引用:厚生労働省労働基準局『バス運転者の労働時間等の改善基準のポイント


  • OK:08:00~21:00(勤務時間13時間)21:00~翌08:00(休息11時間)
  • OK:08:00~24:00(勤務時間16時間)24:00~翌08:00(休息8時間)
  • NG:08:00~01:00(勤務時間17時間)01:00~翌09:00(休息8時間)
  • NG:08:00~24:00(勤務時間16時間)24:00~翌07:00(休息7時間)
  • NG:08:00~01:00(勤務時間17時間)01:00~翌08:00(休息7時間)


バス運転手の勤務時間は1日あたりだけではなく、1週間あたりの限度も設定されています。1日単位のシフトだけではなく、週単位で検討しましょう。

出典:厚生労働省労働基準局『バス運転者の労働時間等の改善基準のポイント


運転時間の上限・休憩の確保

バス運転手の運転時間には上限が設けられています。


▼運転時間の上限

  • 1日の運転時間は、2日平均で9時間が限度※1
  • 4週を平均した1週間あたりの運転時間は、原則40時間が限度
  • 貸切バスや高速バスの運転手で、労使協定を締結した場合は延長可能※2

※1・・・2日とは、始業開始時刻から起算して48時間を指します

※2・・・52週間のうち16週間までは、52週間の合計運転時間が2,080時間を超えない範囲で、4週間を平均した1週間あたりの運転時間を44時間まで延長できます


また、4時間ごとに合計30分以上の休憩を確保するよう定められています。1回10分以上の休憩を分割して取ることも可能です。


▼休憩の例

休憩の例

画像引用:厚生労働省労働基準局『バス運転者の労働時間等の改善基準のポイント


  • OK:運転1時間20分/休憩10分/運転1時間20分/休憩10分 
  • OK:運転2時間40分/休憩20分/運転1時間20分/休憩10分
  • NG:運転4時間10分/休憩30分
  • NG:運転1時間25分/休憩5分/運転1時間25分/休憩5分/運転1時間10分/休憩20分


連続運転時間が短くても、4時間以内または4時間経過直後に30分以上の休憩時間を確保する必要があります。シフト作成時には、運行ルートや時刻表をもとに、休憩のタイミングを設定することが重要です。

出典:厚生労働省労働基準局『バス運転者の労働時間等の改善基準のポイント


連続運転時間の上限

バス運転手の連続運転に関する上限は、以下のとおりです。


▼連続運転時間・回数の上限

  • 連続運転時間の上限は4時間が限度
  • 昼行のワンマン運転の場合、高速道路の実車運行区間でおおむね2時間まで※3
  • 夜間のワンマン運転の場合、実車運行区間でおおむね2時間まで
  • 夜間のワンマン運転の連続乗務回数は4回まで※4

※3・・・連続20分以上の休憩の確保が必要です(運行の実車距離が400km以下の場合は、連続15分以上の休憩の確保が必要です)

※4・・・実車距離が400km以上の場合は2回が上限です


シフト作成時には、高速運転や夜間のワンマン運行の場合など状況に応じて連続運転時間を確認する必要があります。高速バスの運転手の場合は夜間のみを継続して勤務させることはできないため注意しましょう。

出典:国土交通省自動車局『貸切バス交代運転者の配置基準(解説)



システムの活用でバス運転手のシフトを適切に管理

シフオプ


勤務時間が不規則で、労働時間の管理が複雑になりやすいバス運転手のシフト管理には、システムの活用が有効です。


シフト作成・管理システムの『シフオプ』は、法令違反のリスクが高いシフトにアラートを表示します。長時間労働、休憩の不足時間などを事前に把握できるため、法令に沿った適切な労働時間を設定できます。


また、路線バスや高速バスなど、配属先別にシフトを設定できる組織設定機能も備わっています。各営業所のシフトを全社で共有できるため、組織的なモニタリングや一元管理も可能です。



まとめ

バス運転手のシフトは、昼行や夜行、通し運行などがあり、1日あたりの勤務時間が長くなりやすいのが特徴です。


安全な運行を目指すには、バス運転手に負担のないシフト作成が欠かせません。法令で定められた勤務時間や休息時間、連続運転時間の上限を徹底して守ることが重要といえます。


バス運転手のシフトを適切に管理するには、シフト管理システムの活用が有効です。バス運転手の労働環境改善や、安全運転のために、『シフオプ』によるシフト管理を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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