コロナ禍で生活様式や事業環境が大きく変化するなか、環境変化に迅速に対応したり、新たなビジネス価値を創出したりするためにDXが以前に増して推進されています。

なかでも飲食業界では、慢性的な人手不足という問題に加えて、コロナ禍での休業や営業時間短縮による売り上げ減少の影響を受けているのが現状です。

飲食業界にとって厳しいといえる今の状況で収益を生み続けるためには、DXによるビジネス変革が重要です。この記事では、飲食店におけるDXの必要性をはじめ、メリットや具体的な施策を紹介します。

DXとは

DX（Digital Transformation：デジタル・トランスフォーメーション）とは、デジタル技術を取り入れて生活やビジネスモデルをよりよい方向に変革することです。

社会経済や消費者の価値観が目まぐるしく変わる現代において、企業がその変化・ニーズに順応しつつ、自社の競争力を高めるための取り組みが重要とされています。

飲食店におけるDXの必要性

飲食店にDXが必要とされる理由には、コロナ禍で飲食店を取り巻く環境が大きな影響を受けていることが挙げられます。

2020年11月に開催された第3回目の成長戦略会議「ウィズコロナ、ポストコロナの世界に向けた事業再構築、労働移動の円滑化、サプライチェーン、新しい働き方の課題」で配布された内閣官房成長戦略会議事務局の『基礎資料』によると、2020年9月の売り上げが前年9月に比べて減少した企業は調査対象となった全9,225社の73％。そのうち、売り上げが減少したと回答した飲食店は約90%です。

また、飲食店事業者のなかにはコロナ禍での経営悪化に伴い、賃料の支払いが困難になる事案も生じています。このような事態を受け、国土交通省は賃料の支払いの猶予に応じることをはじめとした柔軟な措置の実施をテナントへ要請しました。

飲食店が新しい生活様式に合わせてサービスを提供する必要がでてきています。飲食店は対面でメニューを提供するうえ、デジタル化が送れたアナログな店舗も少なくありません。

しかし、コロナ禍で非対面・非接触が推奨され、デリバリーやテイクアウトの需要も増しているほか、時短営業もたびたび要請されています。

このようななかで店舗を経営していくためには、アナログからの脱却が必要不可欠です。DXを通して新たなサービスや価値を創出し、生産性を向上していくことが求められます。

出典：内閣官房成長戦略会議事務局『基礎資料』/国土交通省『報道発表資料』/内閣府『新型コロナウイルス感染症禍の外食産業の動向』

飲食店がDX化するメリット

飲食店でのDX化には、店舗と顧客の双方にメリットがあります。主なメリットは以下の3つです。

①現場業務の効率化

ITツールの活用により、現場業務の効率化を図ることが可能です。

これまで手作業で行ってきた業務を自動化・デジタル化することで、人的ミスの削減や業務効率の向上につながり、少ない人員で店舗を回せるようになります。その結果、店舗の生産性向上や人件費の削減につながります。

▼現場業務におけるDX化の例

• キャッシュレス決済の導入によるレジ業務の効率化
• 予約受付や予約管理の自動化による業務負担の軽減
• オンライン発注やシフト管理による業務の効率化

②集客の促進

DX化によってデジタル化でデータ活用が可能になれば、蓄積された顧客データを用いて、店舗集客に向けたマーケティング施策を打ち出すことも可能です。

たとえば、顧客データを分析して顧客ニーズを把握することで、メニューやサービスの開発などに役立てられます。これにより、新たな顧客層の獲得や販売経路の拡大による売り上げの向上が期待できます。

▼マーケティングの例

• 人気メニュー・来店日時・顧客属性の分析による新メニューの開発
• ターゲットに応じたSNSマーケティングの実施
• オンラインでのデリバリー販売、来店・テイクアウト予約の導入

③顧客満足度の向上

ITやデジタル技術を活用したサービスを提供することで利便性が高まれば顧客満足度の向上を図れます。

たとえば、コロナ禍での営業情報や感染症対策情報などを共有できるサービスがあれば、安心・便利な飲食店として認識され、リピーターの獲得も期待できます。

▼DXによる導入サービスの例

• キャッシュレス決済の導入
• スマートフォンアプリのポイントサービスの導入
• アプリ上での混雑状況、新型コロナウイルス感染症（以下、コロナ）対策情報の共有
• タッチパネルによる非対面注文の導入

飲食業のDX化に有効な3つのデジタルツール

ここからは飲食店で活用できるDX化に有効なデジタルツールを紹介します。

①キャッシュレス決済

代表的なキャッシュレス決済にはクレジットカードが挙げられますが、近年は電子マネーや二次元コードによる決済ツールも利用されています。

キャッシュレス決済を導入することで、レジで金銭のやりとりをする必要がなくなります。会計業務を円滑化できるだけではなく、顧客の利便性も高められます。ポイントを貯めたり、次の支払いや景品交換に利用できたりするツールもあるため、顧客にとっても魅力的です。

また、金銭に触れないという点で衛生管理の質を向上できるため、コロナ禍の来店でも顧客に安心してもらえます。

②モバイルオーダー

モバイルオーダーとは、スマートフォンのアプリや二次元コードの読み取りから注文を受け付けるツールです。

ホールスタッフが座席まで足を運んで注文を受ける必要がなくなるため、現場を省人化でき、生産性の向上につながります。非対面で注文を受けられるため、コロナの感染対策としても有効です。なかには、多言語対応やスマートフォン決済機能が備わったツールもあります。

③シフト管理

飲食店で必要になるバックオフィス業務の一つにスタッフのシフト管理があります。DXの実現に向けて、バックオフィス業務のツール活用も有効です。

シフト管理ツールを活用することで、紙面によるシフト管理業務を効率化し、担当者の業務負荷を軽減できます。これにより、経営戦略やメニュー開発などのコア業務に時間を充てられるようになるため、現場の生産性向上につながります。

シフト管理ツールの『シフオプ』は、シフト収集・作成・共有まで一元管理できるツールです。スタッフの雇用形態やシフト希望を考慮したシフトを作成できるほか、希望シフトの収集・共有までをオンラインで完結できます。

さらに、シフト作成時には労働時間や人件費が自動計算される機能があるため、計算・処理業務の効率化も可能です。店舗の閑散期・繁忙期や売り上げ予算に応じた適切な人員配置をするためにもシフオプを活用できます。

まとめ

社会経済の変化が激しい現代において、飲食店が売り上げを確保し続けるにはDXによるビジネスモデルの変革が必要です。

ITやデジタル技術を利活用することで、業務効率化・集客の促進・満足度向上などが期待できます。

DXに取り組むのであれば、ツールを導入することも一つの方法です。注文受付・決済をデジタル化してシフト管理を効率化できるツールをはじめ、さまざまなツールが提供されています。

『シフオプ』を利用すれば、日々のシフト作成・管理業務を効率化して店舗運営のためのコア業務に注力できます。飲食店のDX推進を目指して身近なところから始めてみてはいかがでしょうか。